有限会社の代表取締役が死亡した場合の登記申請

事例

取締役A・Bを置き、株主総会の決議によって代表取締役Aを定めた有限会社において、Aが死亡した場合の登記申請について解説します。

Bによる登記申請はできるのか

有限会社の取締役は原則として代表権を有しています。取締役が複数いても同様であり、取締役全てが代表取締役となるのです。その点、取締役会を置かない株式会社と同じなのですが、有限会社では代表権を有しない取締役がいるときに代表取締役の氏名のみが登記されることが相違点となります。

上記事例においては、Bは株主総会の決議によって代表権を剥奪されたものと言えますので、そのままではAの死亡による退任登記を申請することはできません。

登記申請書の記載例

上記事例におけるBを申請人とする登記申請書のうち、主要部分について記載例を掲載します。なお、Bは登記申請と同時に印鑑届書を提出する必要があります。今までの会社実印、新たに作った印鑑のどちらでも構いません。また、印鑑カードを引き継ぐこともできますが、その場合には印鑑カード番号と前任者を印鑑届書に記載します。

登記の事由
取締役及び代表取締役の変更

登記すべき事項
「役員に関する事項」
「資格」取締役
「住所」○県○市○町○丁目○番○号
「氏名」A
「原因年月日」令和○年○月○日死亡
「役員に関する事項」
「資格」代表取締役
「氏名」A
「原因年月日」令和○年○月○日死亡

登録免許税
金10,000円(資本金の額が1億円を超える場合は3万円になります。)

添付書類
株主総会議事録 1通
株主リスト 1通
死亡届 1通(戸籍謄本、法定相続情報一覧図の写しでも可。)
委任状 1通(代理人に登記申請を委任した場合のみ、必要となります。)

株主総会議事録の議案記載例

議案 代表取締役選定の件
 議長は、代表取締役たる取締役Aが死亡したため、本総会で代表取締役の選定の必要がある旨を述べ、その選定方法を諮ったところ、出席株主中から、現在の取締役Bを選定するのが適当であるとの発言があり、議長は、Bにつき可否を総会に諮ったところ、全員一致でこれを承認した。

株主リスト

Aが株主であった場合に株主リストに誰を記載するかの問題が生じるかと思います。Aの相続人がB・Cである場合にはAの所有していた株式はBCの共有となります。株主総会までにBC間で遺産分割協議がされ、株式の承継人が定まっている場合には承継人を記載します。対して、遺産未分割の場合には相続人全員であるBC両名を記載します。

共有株式については、原則として権利を行使する者一人を定め、株式会社に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければ、当該株式についての権利を行使することができませんので、株主総会議事録の記載に注意する必要があります。

 

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