Archive for the ‘投資’ Category

新NISA時代にこそ必要な出口戦略という発想

2026-07-21

はじめに

新NISAの普及により、オルカンやS&P500などのインデックス投資を長期で積み立てる人が増えています。積立投資は始めることに注目が集まりがちですが、実は同じくらい重要なのが終わり方、つまり出口戦略です。

特に、分配金再投資型の投資信託を利用する場合、老後の資金管理をどうするかを早めに考えておく必要があります。

分配金を受け取れない投資信託の特徴

オルカンやS&P500などの投資信託は、分配金を受け取る仕組みではなく、ファンド内で自動的に再投資されます。分配金が銀行口座に振り込まれることはなく、基準価額に反映されるだけです。このため、投資信託は売却しない限り現金化できないという構造的な制約があります。

個別株の配当金は認知症対策になるのか

個別株の場合、配当金の受取方法はいくつかあります。銀行口座に振り込む方法を選択すれば、認知症になっても家族が銀行口座を管理することで医療・介護費用に充てることが可能です。
しかし、ここで重要な注意点があります。

NISAで配当金非課税を受けるには株式数比例配分方式が必須

新NISAの成長投資枠で個別株を保有している場合、配当金を非課税で受け取るためには、株式数比例配分方式を選択する必要があります。この方式では、配当金は証券口座に入金され、MRFが自動買付されます。ところが、MRFの現金化は証券口座名義人しかできないため、認知症対策としては不十分です。

つまり、

  • NISAで個別株を買っている
  • 配当金非課税を適用するために株式数比例配分方式を選んでいる

という人は、銀行口座に配当金が入らないため、個別株であっても認知症リスクに備えられない可能性があるのです。

判断能力があるうちに出口戦略を整える理由

認知症になると、証券口座での売買ができなくなります。家族が代わりに売却することも原則できません。したがって、投資信託を現金化するための仕組みを、元気なうちに整えておくことが不可欠です。

目安としては遅くとも75歳までに出口戦略を完成させることが望ましいでしょう。判断能力の低下は人によって早まる可能性もあるため、不安があるなら前倒ししても問題ありません。

出口戦略①:定期売却サービスの活用

2026年6月時点で、新NISA口座で定期売却サービスを提供しているのは楽天証券とSBI証券です。定率売却・定額売却など、自分の方針に合わせて取り崩し方法を選べます。年金で不足する部分を補うように、運用しながら計画的に取り崩す仕組みを作ることができるため、認知症リスクへの備えとして非常に有効です。

出口戦略②:代理人登録制度の利用

定期売却サービスがない証券会社の場合、代理人登録制度の利用が選択肢になります。あらかじめ子どもなどを代理人として登録しておけば、将来認知症になっても代理人が売却手続きを行うことが可能です。ただし、すべての証券口座で代理人登録ができるわけではありません。自分の証券口座が対応しているか、早めに確認しておく必要があります。

注意すべき点として、口座名義人が認知症であることを証券会社が把握した場合、口座は凍結され、代理人も取引できなくなります。これは銀行の預金口座と同じ扱いです。一方で、制度上は口座凍結となるものの、金融機関が認知症であることを把握しない限り、通常どおり取引が続くという現実があります。

もちろん、制度上は名義人本人の判断能力を前提とした仕組みであり、家族が勝手に取引することを推奨するものではありません。しかし、制度と現実のギャップを理解しておくことは、老後の資金計画を考えるうえで重要です。

さらに、代理人が売却できるようになったとしても、取り崩し方が拙ければ資金が枯渇する恐れがあります。4%ルールや暴落時の対処法など、長期運用の基本を子どもに理解してもらうことも、出口戦略の一部といえるでしょう。

認知症リスクまで含めて投資

誰にでも認知症になる可能性があります。だからこそ、投資の出口まで含めて準備しておくことが、長期投資家としての責任ではないでしょうか。新NISAは一生使える制度ですが、一生積み立て続けられるわけではありません。

元気なうちに出口戦略を構築しておくことこそ、安心して老後を迎えるための最も重要なステップなのです。

なぜ日銀は利上げに踏み切ったのか

2026-06-22

はじめに

最近、SNSでは日銀の利上げに関するさまざまな意見が飛び交っています。しかし、金融政策は本来、政治的な賛否ではなく、経済データと専門的判断に基づいて決定されるものです。ここでは、日銀が利上げに踏み切った背景と、その経済的な意味をわかりやすく整理します。

政治的主張と誤解される可能性

日本銀行は政府から独立した機関であり、病気治療のために入院中の植田和男総裁が欠席するため、政策は副総裁2人、審議委員6人の計8人の政策委員による決定となります。したがって、利上げ・利下げに関する議論は本来政治ではなく経済政策の領域です。ではなぜ政治的と誤解されるのか。
理由は次の2点です。

① 金融政策は国民生活に直結し、賛否が割れやすい
利上げは住宅ローン、企業の借入、物価、為替などに影響するため、SNSでは感情的な議論になりがちです。そのため、中立的な解説でもどちらかの立場を支持していると受け取られることがあるのです。

② SNSでは反対派・賛成派の対立構図が強調される
逆張り投稿は注目を集めやすく、極端な意見が拡散されます。その結果、冷静な経済分析であっても政治的な立場表明と誤認されることがあります。しかし、これはあくまで誤解される可能性があるというだけで、全ての投稿が政治的主張になるわけではありません。

金利差だけでは説明できない円安

2026年6月15日現在、ドル円は160円台で推移しています。市場はすでに利上げを織り込んでおり、仮に政策金利を1%程度にしても、米国が利下げを行わない限り日米金利差は大きく縮まりません。そのため、利上げが直ちに円高につながるわけではありません。

実質金利は依然としてマイナス

消費者物価指数(CPI)が上昇する中、名目金利を引き上げても、物価上昇率を差し引いた実質金利はまだマイナスです。これは、企業や家計にとって金融環境が依然として緩和的であることを示しています。利上げは景気を急激に冷やす段階には至っていません。

円の総合的な価値の低下

円の価値を多通貨で比較する円インデックスは、1990年代以降で最低水準にあります。これは、ドル円だけでなく、世界的に円の購買力が弱まっていることを意味します。円安が続くと輸入物価が上昇し、生活コストや企業の原材料費に影響します。

利上げの主な目的

利上げには次のような経済的意義があります。

  • 物価安定の実現
    過度なインフレ期待を抑え、価格の安定を図る。
  • 通貨の信認維持
    金利が極端に低い状態が続くと、通貨が国際的に敬遠されやすくなる。
  • 金融政策の正常化
    長期にわたる異例の緩和政策から段階的に脱却し、将来の政策余地を確保する。
  • 家計の金利収入の改善
    預金金利の上昇により、貯蓄の価値が守られる。

まとめ

日銀の利上げは、為替を直接操作するためではなく、物価安定と通貨の信認を維持するための措置です。SNSでは賛否が分かれますが、金融政策は専門的な判断に基づいて決定されます。極端な意見に左右されず、データと一次情報に基づいて理解することが重要です。

「NISA貧乏」になっていませんか?

2026-04-13

若い世代に考えてほしい投資との距離感

新NISAが始まり、20〜30代の間で投資への関心が一気に高まりました。将来への漠然とした不安、SNSで流れてくる「投資しないと取り残される」といった強いメッセージ。こうした空気感の中で、生活費や自己投資費用まで削って投資に回す、いわゆる「NISA貧乏」が静かに広がりつつあります。

確かに、資産形成は早く始めるほど有利です。しかし、必要以上に節約し、人付き合いや経験を削ってまで投資を優先することが、本当にあなたの人生にとってプラスなのか。ここは一度立ち止まって考えたいポイントです。

若年層を振り回すSNSの情報

SNSでは「年間360万円の満額投資が当たり前」「NISA枠を埋めないと将来詰む」といった極端な発信が目立ちます。しかし、これはあくまで発信者の価値観であり、あなたの人生にそのまま当てはめる必要はありません。また、投資額や運用益は他人と比較するものでもありません。

将来への不安から「とにかく投資しなきゃ」と焦る気持ちは自然です。でも、焦りから始めた投資は生活を圧迫し、心の余裕まで奪ってしまうことがあります。

そのような状態では、冷静な判断ができず、結果として投資がうまくいかないことも多いでしょう。株式投資の世界では、せっかちな人ほど狼狽売りをし、腰の重い人ほどホールドするため後者が有利だと言われます。焦りは投資の大敵なのです。

時間という最大の武器

20〜30代には、長い運用期間という大きなアドバンテージがあります。だからこそ、NISA枠を急いで埋める必要はまったくありません。毎月1万円でも、長期で積み立てれば十分に将来の備えになります。

大切なのは、無理なく継続できる金額で投資を続けること。積立額を増やすために生活を削る必要はありません。

身につけたい金融リテラシー

投資は「余剰資金」で行うのが大原則です。そのためには、

  • 生活防衛資金を確保する
  • リスク資産と現預金のバランスを保つ
  • 無理のない積立額を設定する

こうした基本的な知識が欠かせません。しかし日本では、義務教育で金融教育が十分に行われてきませんでした。だからこそ、自分で学ぶ姿勢が求められます。

SNSの断片的な情報ではなく、信頼できる情報源から知識を積み上げていくことが大切です。情報源については、過去の記事「アラカンがオルカン投資を始める理由」もご参照ください。

自分への問いかけ

投資に熱中するあまり、「資産形成が人生の中心になってしまう」そんな状態に陥っていないでしょうか。お金があることは、幸せな人生を送るための必要条件にはなるかもしれませんが、十分条件ではありません。

若いうちにしかできない経験、仲間との時間、自己投資によって広がる可能性。これらを犠牲にしてまで投資を優先することが、本当にあなたの人生を豊かにするのか。一度、自分に問いかけてみてほしいのです。

最後に

インフレ対策や老後資金の確保を目的とするなら、投資は非常に有効なツールです。でも、あなたの人生の主役は「お金」ではなく「あなた自身」です。

資産形成に成功しても、自己投資を怠った結果、やりがいや生き甲斐を見失ってしまっては本末転倒です。投資と上手に付き合いながら、今しかできない経験も大切にしてほしい。そんな思いを込めて、このテーマをお届けしました。

積極財政と物価高の時代におけるインデックス投資

2026-02-16

はじめに

2026年の衆議院選挙後、新政権が掲げる積極財政路線が注目を集めています。大規模な財政出動が続くことで、株式市場や為替市場は敏感に反応し、今後の経済環境についてさまざまな見方が語られています。

司法書士として相談を受ける中でも、「物価上昇が続く中で資産をどう守るべきか」「相続や贈与を見据えた資産形成はどう考えるべきか」といった声が増えています。本記事では、政治的評価ではなく制度理解を目的に、現在の経済環境とオルカン・S&P500などのインデックス投資の位置づけを整理します。

積極財政がもたらす市場環境

積極財政は一般に以下のような影響が議論されます。

  • 株価への影響
    財政支出が企業活動を後押しする可能性がある一方、金利上昇圧力が相場の変動を大きくする場面も想定されます。2026年2月現在、長期金利の上昇ピッチは速く、市場の不安定さが増しています。
  • 為替の変動
    金利差や市場心理の変化により、円安・円高のどちらにも振れやすい状況が続く可能性があります。実際、衆院選直後にはドル円が急落する場面もあり、為替の予測がいかに難しいかを改めて感じさせます。
  • インフレ加速の懸念
    既に物価上昇が続く中、財政拡大がさらなるインフレ圧力につながるとの指摘もあります。生活コストの上昇は家計に直接影響するため、資産形成の重要性はむしろ高まっています。

インフレと相続・贈与の関係

インフレ局面では、相続や贈与の計画にも影響が出ます。

  • 金融資産のみを保有している場合の懸念
    相続税の基礎控除額は法改正がない限り固定されています。そのため、インフレによって金融資産の評価額が増加すると、これまで課税対象でなかった家庭でも相続税が発生するケースが増える可能性があります。
  • 不動産への資産移転のメリット
    不動産は、実勢価格よりも低い水準で相続税評価額が算定されることが多く、金融資産を不動産に組み替えることで相続税評価額を圧縮できるという特徴があります。もちろん、管理コストや空室リスクなどの検討は必要ですが、インフレ局面では実物資産の価値が相対的に安定しやすい点も注目されます。
  • 遺言書や贈与との相性
    金融資産・不動産いずれも遺言書で指定しやすく、計画的な資産移転が可能です。ただし、名義預金と誤解されないよう、贈与契約書の作成や管理には注意が必要です。(詳細は以前の記事「NISA改正で未成年も利用可能に!?」をご参照ください。)

積立を続ける意義

株価、為替、物価が大きく動く局面では、「今は投資を控えるべきでは」と不安になる方もいます。しかし、インデックス投資の本質は 短期的な変動に振り回されないこと にあります。

  • 積立は価格変動を平準化する
    高値でも安値でも淡々と買い続けることで平均取得単価が安定し、長期的なリスクを抑えやすくなります。また、円高・円安のどちらの局面でも積立を継続することで、為替リスクの平準化にもつながります。
  • 市場全体の成長を取り込む仕組み
    個別企業ではなく市場全体に投資するため、経済成長の恩恵を広く受けられます。
  • インフレへの備えとしての成長資産
    現金だけを保有するより、成長資産を一定割合持つことで、物価上昇に対する防御力を高めることができます。もちろん、投資には元本割れのリスクがあり、商品ごとにコストやリスクは異なります。制度面でもNISAの非課税枠や課税口座との使い分けなど、理解しておくべき点は多くあります。

継続は力なり

積極財政、為替変動、インフレ加速といった要素が重なる現在、経済環境は不透明です。しかし、こうした不確実性こそが、長期・分散・低コストというインデックス投資の強みを際立たせます。

司法書士としての視点からも、相続・贈与の計画において金融資産と不動産のバランスを考える重要性が高まっています。そのうえで、短期的な相場変動に惑わされず、計画的に積立を継続することは依然として賢明な選択肢の一つと言えるでしょう。

新NISA3年目はどう立ち回るか

2026-01-05

株高円安

2025年12月現在、S&P500が最高値を更新するなど米国株価は高値で推移し、日本株も日経平均が50,000円を超えてこちらも好調です。この記事の執筆時点では日銀の利上げは決まっていませんが、市場では1段階の利上げを織込み済みと見られていることから、ドル円は155円前後で推移するのではないでしょうか。

以上を踏まえますと、私を含め新NISAから投資を始めた方は、余程変な金融商品に投資をしていない限り、皆含み益を抱えている状況かと思います。SNS上でも含み益が最高額に達したことを報告するものが散見されますし、投資をすれば誰でも儲かるような楽観的な風潮が高まっているように感じます。

金(ゴールド)の高騰

2025年の出来事で最も印象的だったのは、金の高騰でしょう。年始では14,000円/g台だったものが、同年12月には田中貴金属の店頭小売価格(税込)23,806円/gまで達しました。

たった1年間で60%上昇したわけです。個人投資家の金地金購入が増えたことによって、供給が追い付かず一部の金地金が販売停止される事態になりました。

非常に注目を浴びた金(プラチナ、銀等も同様です。)ですが、私の考えは金に投資する必要はなく、今後もスルーで大丈夫だということです。金からは果実は生じないというのが最大の理由です。

不動産からは賃料、株式からは配当金という法定果実が生じます。配当金については果実ではなく、株式の自益権によるものだという見解もありますが、本質的な差はないと考えています。

『敗者のゲーム』の著者であるチャールズ・エリス氏も「コモディティ取引は投機だ。経済的付加価値を生まない以上、投資とは言えない。」と述べています。

売るべきか

含み益のあるうちに売ったほうがよいのではないかと、私のような投資経験が浅い人ほど考えてしまうのではないでしょうか。実際、投資信託の保有期間は平均すると僅か数年間だとするデータもあるようですし、長期投資を前提とするインデックスファンドを保有している人が売却してしまうことはあると思います。

しかしながら、私自身は売るべきではないと考えています。私の積立額は微々たるものですし、今売却したとしても手にする利益はたかが知れています。それに、インデックス投資は期間が長期になればなるほど効果を発揮するものだからです。

長生きリスク

私は、60歳で年金の繰り上げ受給をするつもりです。自営業者の年金額は本当にごく僅かです。あまりにも少なすぎるので、体が動くうちは働かざるを得ないでしょう。

投資をしている理由の一つに、予想に反して長生きをしてしまった場合に備えることが挙げられます。したがって、インデックスファンドを取り崩すのはかなり先のこととなるでしょうから、2026年の新NISA3年目も積立を継続します。

NISA改正で未成年も利用可能に!?

2025-10-14

金融庁の税制改正要望

2025年8月29日、金融庁は2026年度の税制改正要望の内容を公表しましたが、ポイントとなるNISAに関連する主なものは以下のとおりです。

NISAは現在18歳以上が利用できますが、今後それが全世代に開放されて使いやすくなる可能性があるのです。0歳から資産運用を始めることができれば、長期運用が容易となって資産形成に資することが期待されているようです。

  • つみたて投資枠を未成年者にも拡大
  • 対象商品の拡充
  • スイッチング(投資商品の入れ替え)規制の緩和

贈与税

年間110万円までの贈与なら贈与税はかからないということをご存知の方は多いでしょう。言うまでもなく、つみたて枠をフルに使うと贈与税がかかります。じゃあ、毎年110万円に抑えてつみたてをすればいいじゃないかと思われるかもしれませんが、事はそう単純ではありません。

贈与契約については後述しますが、仮に贈与が認められたとしても一定の期間にわたって一定額を繰り返し贈与する定期贈与に該当すると贈与税が課される可能性があるのです。

例えば、「毎年100万円を10年間に渡って贈与する」というような約束(契約)をした場合です。この場合には、1年ごとに贈与を受けると考えるのではなく、約束した年に「定期金に関する権利(10年間に渡り毎年100万円ずつの給付を受ける権利)」の贈与を受けたものとして1000万円から110万円を控除した残額に対して贈与税が課されます。

贈与契約

贈与は契約です。契約は当事者同士の意思表示が合致することで成立します。つまり、「あげます。」「もらいます。」の両方の意思表示が合致しなければならないのです。

意思表示をするためには、そのための能力を有していなければなりません。何歳になれば能力を有することになるかですが、一般的には10歳前後とされています。当然のことながら0歳児には「もらいます。」という意思表示はできません。

では、どうするか。親権者である父母が法定代理人として意思表示をすることができます。例えば、祖父が0歳の孫に贈与したい際には、祖父と孫の父母間で贈与契約を締結することによって目的を叶えることができるのです。

上述した全世代NISAが実現すれば、0歳でもNISA口座が開設できます。未成年者名義の口座は開設できますが、口座内において親や祖父母の資金で購入した金融商品を管理すると問題が生じます。

名義預金(口座)

名義預金とは、名義人と実質的な所有者が異なる預金のことを指します。具体的には、親や祖父母が子供や孫の名義で開設した口座に自分のお金を預ける行為などが含まれます。

例えば、未成年者名義のNISA口座に対して親や祖父母が勝手に入金を継続しても、贈与契約がされていなければ、実質的な所有者は入金をした者です。

名義預金は相続財産とみなされて相続税の課税対象となりますので注意が必要です。

高齢者向けのプラチナNISAとは?

2025-05-19

金融庁が検討へ

2025年4月、日本経済新聞の記事によると、金融庁は高齢者向けの少額投資非課税制度(NISA)を創設する検討に入り、2026年度の税制改正要望に盛り込む方向だとのことです。運用益などを分配金として毎月払い出す「毎月分配型」の投資信託を高齢者に限定して対象に加える案が浮上しています。プラチナNISAと銘打ち、高齢者が運用資産を計画的に活用できるようにすることを目指します。

その後、自民党の資産運用立国議員連盟の会長である岸田前総理大臣は、高齢者に限定して対象となる金融商品を拡大できる制度(プラチナNISA)の導入などを石破総理大臣に提言しました。

つまり、プラチナNISAは未だ検討段階の制度であり、今後実施されることが予定されているに過ぎません。この記事では、プラチナNISAの概要、デメリット等を解説したうえで私自身の見解を述べたいと思います。

概要

対象年齢が65歳以上に限定されること、毎月分配型投資信託など分配金を受け取りやすい商品が投資対象に追加されることが主なものとなります。

現行NISAでは、毎月分配型投資信託を購入することができません。運用益を再投資し、長期積立を前提として資産形成をより効率的にすることを目的としているためです。一方で、年金だけでは生活できない高齢者は長期投資をする時間がないことから、分配金を毎月受け取って生活費に充てたいといったニーズがありました。

投資信託はゴミ商品

信託という言葉について考えてみたことはあるでしょうか。文字通り自分の財産を信じて託すものです。つまり、投資信託は運用益を得ることを目的として自分の財産を信用できる運用会社(ファンドマネージャー)に託すことを意味します。

もちろんタダではありませんから、信託報酬等のコストがかかります。運用会社等の金融機関側は運用益を出せずに託された財産が元本割れをおこしても報酬は受取ります。要するに投資家が得をしようが損をしようが、純資産総額に応じた一定割合の報酬を得ることができるわけです。

このことから、私は投資信託とは人の褌で相撲を取るものだと考えています。それでは、何故お前はオルカンに投資をしているのだと思われるでしょう。一番の理由は低コストであること、次に世界中の株式を個人が購入することはできないので投資信託に頼るしかないということです。

投資信託で一番に考えなければならないのはコストです。残念ながら毎月分配型投資信託のコストは、オルカン、S&P500等インデックスファンドと比べると著しく高い傾向にあります。

タコ足分配

毎月分配金が受け取れることは確かに魅力的かもしれません。ただ、うまい話には裏があることにも注意する必要があると思います。分配金を出す投資信託は、利益が出ていないときでも無理に分配金を出すことがあり、これを元本払戻金(特別分配金)といいます。

2025年4月時点、トランプ関税等によって株価は暴落し、多くの投資信託が元本割れしています。その上で元本を払い戻すわけですから、預貯金の取り崩しより事態は悪化することが容易に想定されるのです。

個別株の配当利回りを考えてみればわかるでしょう。大体3~4%程度のものが多いでしょうから、例えば1000万の株式を保有していたとして、年間の配当金は30~40万円となります。このことからも、毎月多額の分配金を受け取るには投資元本を多額にしなければなりません。

言うまでもなく、ボラティリティが激しいのが株式ですから高齢者が負うには余りにも大きなリスクだと考えます。

取り崩しながら運用する

上述したように、プラチナNISAのデメリットは高コストとタコ足分配です。金融機関側が儲かる制度であり、高齢者にはデメリットを上回るメリットはないと考えます。

株式投資は時間を味方につけてこそ効果を発揮するものです。その時間がないからといって毎月分配型投資信託を勧めるのは、あまりにも短絡的過ぎます。私のお勧めは、1年でも早く低コストのインデックス投資を始めて、仕事を辞める等のタイミングでそれを定期売却し、取り崩しながら運用することです。

株価暴落で新NISA民大損失!今後どうする!?

2025-05-07

現状報告

昨年7月からオルカンへの投資を始めたわけですが、相互関税等によって経済状況の悪化が懸念されていることによる米国株の下落、円高によって約20%の損失を抱えた状態です。世界同時株安、ドル円下落のダブルパンチを食らっています。

新NISAからインデックス投資を始めた方の多くが私と同じように含み益が全て吹っ飛んで含み損を抱えていることでしょう。含み損がだんだん増えていく状況は決して面白くはないですし、精神的にもつらいものがあります。

対して、旧NISAから始められた方は、まだ含み益を抱えていらっしゃるかもしれません。改めて長期投資の重要性を痛感させられます。

暴落煽り

SNS上にはまだまだ下がる、今すぐ逃げろなどの暴落煽りの投稿が散見されます。私がよく視聴しているYouTube上でも同様ですが、多くの投資系YouTuberは落ち着いた行動をとることを促す動画内容をアップしていることが多い気がします。

サムネは悲観的なものが非常に多いのですが、視聴回数を増やすためにやっていることなので、そういうものだと割り切ることも必要なのでしょう。

私は、投資系の動画を観ることが非常に少なくなりました。というのも、どれも同じ内容のものばかりだし、特に目新しいことはなくネタが尽きてしまっている感が否めないからです。

含み損益

含み益は幻だとよく言われます。正にその通りで、利確しない限り利益は実現しないのです。含み損も同様で、損切りしなければ損失が確定するわけではありません。

株価の騰落に一喜一憂することは無意味なことですし、私自身一喜一憂することがなくなりました。どんなに暴落しても信用取引のように追証を求められたり、強制決済されることがないわけですから、オルカン、S&P500インデックス投資のような現物取引はずっと握っていることができるわけです。

損切りについて

これ以上損失を増やさないために損切りした方がよいと考えられる方がいらっしゃるかもしれません。投資は自己責任で行うものですから、投資家の判断にケチをつけるつもりはありませんが、インデックス投資を始めた時のことをよく思い出して欲しいです。

過去を振り返れば、米国株は何度も暴落をしてその度にそれを乗り越えて最高値を更新してきたわけです。多くの人が50%程度の暴落を想定していたはずですし、2025年4月時点での下げ相場は想定の範囲内だと思います。

それに、インデックス投資は底で買って、天井で売るといったタイミングを計ることが不要なものです。チャートとにらめっこする時間のない一般人でも資産運用が再現性高く実現できるものという知識を身につけて投資を始めたのではないでしょうか。

ちなみに、私はオルカンを損切る予定はないですし、積立を継続するつもりです。

最後に

インデックス投資家はトレーダーではありません。ガチャガチャ売り買いしてキャピタルゲインを狙っているわけではないのです。結局のところ、頻繁に売買すれば手数料・税金等でコストが嵩みますし、じっと何もしないで保有し続けるインデックス投資に多くの場合勝てないことは『敗者のゲーム』を読めば明らかです。

名著を繰り返し読み、インデックス投資を腹落ちするまで自分のものにすれば、多くの個人投資家は私と同様の行動を取るはずでしょう。

オルカンで含み損を抱える!マジか!?

2025-03-10

調整下げ?

この記事は2025年2月下旬に書いているのですが、株価ジリ安、ドル円下げによって2024年8月以来の含み損を抱えています。この程度の下げはベテラン投資家にとっては何も感じないのでしょうけど、投資アレルギーのある初心者にはなかなか辛いものがあります。

ネット上では、不安を感じる声、暴落煽りをするものなどが散見されます。今回は、オルカン等のインデックス投資を継続するための心得等について書いてみたいと思います。

ストレス

よく投資で資産を増やすことについて、SNS上に不労所得であることを理由にそれを妬む書き込み等が見られます。ただ、今まで投資をしてこなかった私がある程度の含み損を抱えて感じることは、投資を継続することは結構なストレスを伴うものだということです。

その代償としてリターンを得られるのではないかと思うのです。ですから、決して不労所得と言い切れるものではなく、リターンはリスクを受け入れた対価として得られるものではないでしょうか。

夜眠れないほどリスクをとることは絶対に避けるべきですが、下げ相場にも退場することなく付き合っていかなければならないですし、リーマン級の暴落がくればそのストレスたるや想像もつきません。

低コスト金融商品

NISA口座は野村證券で開設しました。口座を開設するならSBI証券か楽天証券が良いことはネット環境にいる人なら簡単に入手できる情報です。オルカンが買えるので総合証券を使っていますが、NISA口座の開設、商品選択、積立設定まで全てネットで完結する必要がありました。

どういうことか。オルカン、S&P500等の投信の手数料があまりにも安いために、総合証券においても窓口対応はしていないのです。したがって、パソコン、スマホを持っていないネット環境に無縁な方は低コストの金融商品を買うことすらできないわけです。

意図的な情報遮断

パソコンかスマホを持っていないと低コストの金融商品に投資できないことは前述したとおりです。それ故に情報過多に陥ることとなって、YouTubeの暴落煽り等のサムネに釣られて動画を視聴してしまうといった弊害をもたらすことになると考えています。

また、証券口座にログインしないようにすることも大事だなと最近は感じています。要は、意図的に見ないようにし、情報をシャットアウトすることが長期ホールドに繋がるのではないかと思うわけです。

名著を拠り所にする

自身の投資方針に疑問を感じるようになったり、ホールドし続けることに不安を感じるときに拠り所にすべきなのは名著と呼ばれる書籍だと思います。決して投資系のインフルエンサーではありません。

そうは言っても、私も視聴するYouTubeチャンネルがあるわけでして、その中でも握力を高めるためにお勧めするYouTubeチャンネルがあります。『S&P500最強伝説』さんです。配信者は個別株のスイングトレードを経て、インデックス投資が最も合理的だと判断するに至った方です。

私のようなオルカンホルダーではありませんが、米国株に投資をされていらっしゃいますし、書籍によるロジックを根拠に解説されている動画が多数ありますので、一度視聴されることをお勧めします。

アラカンがSCHDを買わない理由

2025-02-25

人気急上昇

2024年9月、楽天証券からSCHDを投資対象とする投資信託(楽天・高配当株式・米国ファンド(四半期決算型))の販売が開始され、2025年2月現在、純資産総額は約1250億円に到達しています。50代以降の分配金を定期的に受け取りたい人に人気のある商品となっているようです。

また、それに追従する形で2024年12月、SBI証券から同様の投資信託(SBI・S・米国高配当株式・ファンド(年4回決算型))の販売も開始されています。

以前の記事「アラカンがオルカン投資を始める理由」で、オルカンの積立投資をしていることを書いたのですが、私がSCHDに投資をしない理由を今回の記事にしたいと思います。

SCHDとは

シュワブ・米国配当株式ETFのことを指し、ダウ・ジョーンズUSディビデンド100インデックスへの連動を目指す米国籍のETFです。ダウ・ジョーンズUSディビデンド100インデックスは米Dow Jones社が提供する米国株価指数で、米国の配当利回りの高い100銘柄で構成されています。

同様のETFにFTSEハイディビデンド・イールド・インデックスをベンチマークとするVYMがあります。SCHDに直接投資することはできませんが、それに連動する投資信託が国内で販売されたということです。したがって、リアルタイムで売買することはできないですし、本家ETFよりコストはかかります。

資産形成の効率が悪い

資産形成を第一に考えるなら、オルカンかS&P500等のインデックスファンドで良いのではないかと思います。どちらも分配金が再投資されますので、複利の効果を享受できます。

分配金を受け取ることで現在の生活の足しになることがあるかもしれませんが、単利の効果しかありませんので、資産を最大限膨らますことを目的とするなら、SCHDは投資対象にはならないのではないかと考えています。

NISA枠で買うメリットがない

NISAは購入した金融商品から得られる利益が非課税になる制度ですから、その恩恵を最大限享受するには、分配金が再投資される投資信託の購入が最適解ではないでしょうか。したがって、成長投資枠で個別株や分配金受取型のSCHD等のETF、投資信託等を購入するつもりは、今のところありません。

また、分配金には日本での課税はされませんが、米国の10%の外国課税がなされます。特定口座で購入すれば、所得にもよりますが外国税額控除を受けることができますので、NISA枠で買うメリットはないと思います。

リスク分散にならない

既にオルカン、S&P500を購入している人にとっては、SCHDの投資対象は米国株100%ですから分散効果はほとんどないと言えます。ただし、これから投資を始める方にとっては該当しませんので、投資対象の選択肢の一つとなるでしょう。

オルカン、S&P500があまりにも売れすぎているので、今後も新たな金融商品が出てくると思いますが、目移りせずに一度決めた投資方針を貫くことも重要だと感じています。

定率取り崩しか不労所得か

オルカン、S&P500は売却しない限り手元にキャッシュは残りません。対して、SCHDは分配金という不労所得(インカムゲイン)が元本を取り崩さずに貰えます。ただし、元本を払い戻す特別分配金が支払われることがあります。

オルカン等の定率取り崩しを設定するのは結構面倒だと思います。NISA口座でそれができるのは、この記事を執筆している時点で楽天証券だけです。結局のところ、定率取り崩しかインカムゲインをその都度得るかの違いに過ぎないのです。

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