依頼別-夫婦で債務整理を考えている

夫婦で債務整理をするメリット

家計収支の把握が楽になる

債務整理の手続きを選択する上で、家計収支を把握することは非常に重要な要素となります。

夫婦の一方だけが他方に内緒で債務整理をする場合ですと、家計簿を付けているなどにより家計収支を十分に把握している方が債務整理をする場合を除いて家計収支を把握することが難しくなります。

また、債務整理は、借金を清算して借金に頼らずとも生活をしていくことができるような生活再建を目的としています。ですから、夫婦が共に債務整理という同じ方向を向いて、事を動かしていくことには重要な意味があると考えています。家計収支の把握をすることにより、夫婦それぞれの支払能力が明らかになっていきます。

借金を減額することで返済が可能となるのであれば、任意整理、個人再生の手続きを選択できますし、支払不能と判断できるのなら自己破産の手続きを選択します。

費用が安くなることが多い

夫婦で同一事務所に債務整理を依頼した場合には、費用が安くなることが多いといえます。

報酬基準は事務所によって様々ですが、夫婦で債務整理をする場合には手間や情報収集に要する時間が倍になるわけではないからです。依頼をする司法書士事務所、法律事務所との交渉次第ともいえますが、単純に2倍の報酬を請求されることは少ないでしょう。

Aさん夫妻のケース

ご相談内容

50代のAさんには、同じく50代の奥様Bさん、私立高校に通うお子様Cさんがいらっしゃいます。

Aさんは長年会社勤めをしていましたが、40歳の時に住宅ローンを組んで念願のマイホームをAさん名義で購入しました。住宅ローンの返済は、Bさんがパート勤務に出ていたこともあり、滞ることなく順調に進んでいました。ところが、Aさんは1年ほど前に勤務する会社の業績がおもわしくなくなったことからリストラに遭い、職を失いました。退職金も支給されなかったそうです。

当時お子様Cさんが高校受験を控えていましたが、希望する私立高校に入学させたかったことから、Aさんは就活に精を出し再就職しました。その頃から、収入が大幅にダウンすることになり住宅ローンの返済に充てるために消費者金融から借金をするようになりました。

ボーナス月の上乗せ返済、Cさんの私学助成金の立替えなどがあったことで毎月の返済が家計を圧迫するようになったことから、Bさんも銀行や消費者金融のカードを作成して、家計の不足分を借金で補うようになりました。

なんとか、1年間にわたり夫婦で家計をやりくりしていましたが、ついに住宅ローンを初めて滞納してしまったのです。

司法書士のアドバイス

預貯金や車などの財産がなく、住宅ローンの残った不動産がある場合には、Aさんの債務整理については先ず個人再生で自宅を残せるかを検討します。

債権者である銀行は、住宅ローンを1回滞納した程度ではすぐに競売を申立てるようなことはしません。だからといって、その状態を放置してよいわけではなく、早い時期に銀行に事情を説明することが大事です。

支払いを猶予してくれる場合もありますし、何よりも残債の一括請求をし、それができないときは「法的手段を執ります。」と記載された内容証明郵便が届くことを防げます。

個人再生が無理なときは、任意売却を検討して残債の有無を判断していきます。残債が多額に及ぶ場合には自己破産の申立をすることになります。収入の状況によっては、免責許可決定後の生活保護受給申請も視野に入ってくるでしょう。

Bさんについては、任意整理ができるかを先ず検討して無理なら個人再生、それも無理なら自己破産という順番でベストな手続きを選択します。

ここで強調しておきたいのは、必ずしも夫婦で同じ債務整理の手続きをしなければならないわけではないことです。

債務整理には4つの手続きがありますから、夫婦で債務整理をする場合の選択する手続きには実に16通りもの組み合わせがあるのです。どの組み合わせがベストなのかは、夫婦それぞれの支払能力と借金総額を正確に把握しなければなりません。

さらに、家計収支に客観的なメスを入れて無駄な支出がないかを探っていくことも重要なことになります。生活保護受給を考えた場合にはそれが不可欠となります。

 

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