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公告方法の定め
株式会社(持分会社も同様)は公告方法として、次のいずれかを定款で定めることができます。
- 官報に掲載する方法
- 時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法
- 電子公告
定めることができるのであって、公告方法を定款で定めなくても構いません。その場合には官報に掲載する方法が公告方法となります。
電子公告
電子公告を公告方法とする場合には、公告をするウェブページのURLを定めなければなりません。URLは、原則として、電子公告による公告を実際に閲覧することができるページのものである必要がありますが、リンクを張り付ける等によってページ遷移できる措置が執られていれば、自社ウェブページのトップページのURLでも差し支えありません。
このURLは定款に定める必要はなく、業務執行として代表取締役が決定することで足ります。登記されたURLを変更することもできますが、定款変更は不要ですし、株主総会議事録等の添付書面も不要となります。
また、電子公告による公告をすることができない場合の公告方法として、官報に掲載する方法か日刊新聞紙に掲載する方法を定めることができます。例えば、「(公告方法)第○条 当会社の公告は、電子公告とする。ただし、電子公告による公告をすることができない事故その他やむを得ない事由が生じた場合は、官報に掲載してする。」のように定めるのが一般的です。
貸借対照表(大会社にあっては、貸借対照表及び損益計算書)の公告については、電子公告とは別のURLを登記することも可能です。
登記申請書の記載例
株式会社が公告方法を官報に掲載する方法から電子公告に変更する場合の登記申請書のうち、主要部分について記載例を掲載します。
登記の事由
公告方法の変更
登記すべき事項
「公告をする方法」
電子公告とする。
http://www.○○○○○
ただし、電子公告による公告をすることができない事故その他やむを得ない事由が生じた場合は、官報に掲載してする。
「原因年月日」令和○○年○○月○○日変更
登録免許税
金30,000円
添付書類
株主総会議事録 1通
株主リスト 1通
委任状 1通(代理人に申請を委任した場合のみ必要です。)
URLは、全て全角で記録(記載)します。代理人に委任した場合、委任状にはURLを記載します。URLの記載がない場合には、別途、代表取締役が作成した「アドレスの決定を証する書面」が必要となります。
貸借対照表に係る情報の提供を受けるために必要な事項の記録抹消
公告方法が官報に掲載する方法か日刊新聞紙に掲載する方法である株式会社は、貸借対照表に係る情報の提供を受けるために必要な事項として、ウェブページのURLを登記することができます。
その会社が公告方法を電子公告に変更した場合には、登記官によって当該URLに下線を付して登記を抹消する記号が記録されます。そのため、公告方法を電子公告に変更する登記を申請する際には、貸借対照表に係る情報の提供を受けるために必要な事項の廃止の登記を申請する必要はありません。