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はじめに
もらい事故という言葉をご存じでしょうか。一般的には、被害者に全く過失がない事故のことを指すようですが、被害者の過失が著しく低い事故、例えば、走行中に信号無視の車にぶつけられた、交差点直進時に右折車と衝突したなどのような事故を含めてそのように呼ばれることがあります。
今回は、高速道路上で事故に遭わないための運転方法について書いてみたいと思います。
混雑時は左車線を走る
私は20代の頃に陸送の仕事をしていましたので、高速道路を非常によく走っていたことを記憶しています。先ず、同僚がおこした高速道路での事故について状況説明をします。
名神高速に大阪と京都の府境に位置する天王山トンネルがあります。同僚が同トンネル内の追い越し車線を走行中に前を走る4トン車が前方の大型バスに追突して停車、自車(日産サファリ)は急ブレーキをかけて何とか追突を免れましたが、停車直後にバックミラーを見て大型車が迫ってきていたのを確認したそうです。
追突されると直感し、ハンドルを両手で押さえつけて衝撃に備えたところ、案の定停まりきれずに大型に追突され自車の長さがおよそ半分になりました。事故処理に当たった警察官からは、車を見て運転手は死亡したものと思ったと言われたそうです。
現在では外側に2車線分のトンネルが掘られ、上下4車線ずつ確保されていますが、当時はよく渋滞する場所として知られ、また事故が多発しているトンネルでした。幸いなことに同僚は軽傷ですみましたが、この事故以降、同トンネルを通過するときは必ず左車線を走行するようにしたのを覚えています。
追い越し車線を走る車の方が車間距離を取らないことが多いことは何となく理解できると思います。つまり、80km/h で車が連なって走行しているような状況では、追い越し車線より走行車線を走るほうが追突されるリスクを減らすことになると考えていますので、混雑時は左車線を走ろうということです。ちなみに、私は事故や工事で渋滞の最後尾につくときも左車線に進路変更するようにしています。
追い越しは短時間ですます
定速走行が望ましいと言われることがあります。私も一時期そのように考えていました。追い越しの場面でも定速走行を維持すべきでしょうか。
制限速度100キロの道路をクルーズコントロールで100キロに設定して、98キロで走る車を追い越すときに加速せずにそのまま走ったらどうなるでしょう。追い越しに時間がかかることにより並走時間が長くなる、交通量が多いところでは後ろが詰まってしまうなどが想像できますね。
皆が制限速度を守って走っているわけではありませんし、速度違反をしているほうが悪いと言えるから追い越し車線を早く譲る必要などないと思われる方もいらっしゃるでしょう。しかし、ここで問題にしているのは事故に遭わないための防衛運転です。
私の場合、制限速度より低めの90キロ位に設定し、追い越し時にはアクセルを踏み込んで加速しながら追い越しをします。ブレーキを踏まない限りクルーズコントロールは解除されませんし、走行車線に戻ってからアクセルから足を離すようにしています。このようにすることで、今問題となっている煽り運転の被害に遭うこともほぼ無いと思います。
追突されないためにすること
高速道路だけではなく一般道でも同じですが、停車時には必ずブレーキランプを点灯させておくことが重要です。
渋滞の最後尾につくときにはハザードを点灯することは皆がやっていますが、すぐに消してしまう人が多いと感じています。少なくとも自車の後ろの車がハザードを点けなければ意味がありませんので、ミラーで必ず確認します。後ろの車のハザードが確認できれば、渋滞を認識しているといえますのでその車から追突されることはないでしょう。
最後に
まだまだありますが、最後に優先意識を捨てて「かもしれない」運転を心掛けることについて記しておこうと思います。
直進車優先、左方車優先などの言葉がありますが、例え自車が優先であっても、右折を開始するかもしれない、見通しの悪い交差点では一時停止を守らない車が飛び出してくるかもしれないといった事態を想定して運転することも防衛運転に求められるでしょう。