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いつから?
2021年4月21日に成立し、同月28日に公布された「民法等の一部を改正する法律」(令 和3年法律第24号)について、施行期日を定める政令が同年12月14日に閣議決定されました。
「民法等の一部を改正する法律の施行期日を定める政令」の規定により、2024(令和6)年4月1日から相続登記申請が義務化されます。
いつまでに申請するの?
相続が開始し、かつ、それにより不動産を取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請しなければなりません。
甥姪が相続人になるようなケースにおいては、相続の開始を知らないことも想定されますので、起算日の1つ目として規定されています。
子供が相続人になるケースにおいては、相続の開始を容易に知ることができるとしても、親が不動産を所有していたことや所有していた不動産の全てを把握していないことも十分に考えられますので、起算日の2つ目として定められました。
つまり、両方を知った日から義務が課されることになります。
既に相続が発生している場合
施行日までに相続が発生している場合には、相続人が相続により不動産の所有権を取得したことを知った日と施行日である令和6年4月1日との前後を比べていずれか遅い方の日から義務が課されます。
一般的には法律が遡って適用されることはありませんが、それでは所有者不明土地問題は解消しませんので、そのように規定されました。
罰則はあるの?
正当な理由がないのに相続登記の申請を怠った場合には、10万円以下の過料に処されるという罰則規定が設けられます。
相続人申告登記について
登記を申請するには、原則として登録免許税という税金を納めなければなりません。相続登記においても、何代にもわたって登記がされていないときや100万円以下の土地について免除する特例が適用される場合を除き、同様です。
相続登記申請を義務化することは国民に対して納税を強いる面があることを考慮し、自分が相続人の一人であることを示す登記として、相続人申告登記という制度が設けられます。
何らかの事情で3年以内に相続の登記の申請ができないときは、相続人が、所有権の登記名義人につき相続が開始したこと及び自らがその所有権の登記名義人の戸籍上の相続人であることを申し出ることにより、その申出をした相続人については、相続登記の申請義務が免除されます。
登録免許税は課されませんし、相続登記申請のように他に相続人がいないことを被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本を取得することにより証明する必要はありません。
注意点として、相続人申告登記をしても登記名義人はあくまでも被相続人ですから、そのままでは売却はできません。相続登記を申請して相続人への名義変更が必要となります。
また、遺産分割により不動産の所有権を取得したとき(法定相続分による相続登記がされた後に遺産分割により所有権を取得したときを除きます。)は、遺産分割の日から3年以内に相続登記を申請しなければなりません。
まとめ
令和6年4月1日より、相続により自分が不動産の所有者になったことを知った日から3年以内に相続登記を申請しなければならなくなります。令和6年4月1日の時点で相続登記が未了の不動産についても申請義務が課されます。