知っておきたい家族信託をするための3つの方法

認知症・相続対策として非常に有効な手段である家族信託は3つの方法によりすることができます。どのようにしたらわからない方でもこの記事で概要を載せていますので、疑問が解消すると思います。それでは順番に見ていきましょう。

契約による方法

委託者と受託者との信託契約の締結によって行います。信託当事者(委託者・受託者・受益者)のうち、受益者は契約当事者とはなりません。口頭での締結もできますが、信託の内容を明確にしておく必要があることから、書面の作成は不可欠と言えます。

原則として、契約の締結時に信託の効力が発生します。

遺言による方法

委託者(遺言者)の遺言によって信託を設定することもできます。遺言書を作成して、その中で信託の内容を記載しなければなりません。遺言書は単独で作成することができますが、それ自体が有効に作成されていなければなりませんので、公正証書で作成することが望ましいと言えます。

遺言の効力発生時(遺言者の相続発生時)に信託の効力が発生します。

自己信託(信託宣言)による方法

自己信託とは、委託者が自分を受託者として信託することを指します。信託する旨の意思表示は、公正証書、公証人の認証を受けた書面等またはこれら公正証書等以外の書面によってしなければなりません。

公正証書または公証人の認証を受けた書面等(以下「公正証書等」といいます。)によってなされる場合は、公正証書等の作成または認証のときに自己信託の効力が発生します。

公正証書等以外の書面とは確定日付のある証書(公証役場において公証人が日付ある印章を押捺して付与した書面、内容証明郵便など)のことであり、受益者となる者に自己信託がされた旨及びその内容の通知があったときにその効力が発生します。

まとめ

法律上、契約は口頭でもできる、遺言は自筆証書遺言でもよい、自己信託は公証人の認証を受けた書面や内容証明郵便でもできるとなっていますが、実務では公証役場において公正証書を作成することが多いと思います。

公正証書は原本が公証役場に保管されますから、正本・謄本を紛失してしまっても原本の写しを再発行してもらえます。また、中身を書き変えるなどの改ざんのおそれもありません。家族信託の期間は長期に亘ることがほとんどですから、当事務所では必ず公正証書を作成することにしています。

また、受益者の関与なしに契約をしたり、受託者の事前の承諾なく遺言書を作成することはありません。信託当事者(委託者・受託者・受益者)全員の関与と合意の基に、信託を設定することが望ましいだけでなく、そうすべきであると考えます。信託監督人や受益者代理人等の受益者を保護する関係者についても同様です。

 

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