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はじめに
令和4年7月3日、今年の司法書士試験が実施されました。私は、平成29年に資格を取得したわけですが、当時通学していた東京法経学院の受験仲間と先日2年ぶりに飲む機会がありましたので、特に中高年の受験生に向けて司法書士試験の対策について書いてみたいと思います。
苦手意識のある科目を作ってはいけない
択一11科目、記述2科目のうち、1科目でも苦手意識があるとなかなか厳しいと思います。苦手科目を作ってはいけないのはもちろんなのですが、苦手科目は答練や模試などで客観的に明らかになるので分かりやすくて対策はしやすいです。
私が強調したいのは、苦手意識を持ってはいけないということです。例え、マイナー科目であっても苦手意識があるものについては多くの学習時間を費やしてそれを払拭するべきでしょう。
言うまでもなく、午前・午後択一、記述と3つの基準点が設けられ、それを1つでもクリアできないと合格できないわけですから、私の場合はこの点について常に気を配っていました。
条文、テキストの読み込みが疎かになっていないか
実務に就いてからは条文の大切さを身に染みて感じています。法律の勉強の主たるものとして、条文をどのように解釈するかということが挙げられると考えています。
条文を読んだだけで全てを理解できるわけではないので、それをかみ砕いて分かりやすく記述したものがテキストです。法律の勉強とは、六法を参照しながらテキスト(基本書)を読み進めていくことであり、それが王道ではないでしょうか。
択一の点数がなかなか伸びないのは、過去問回しが勉強方法の中心となっているからかもしれません。
手を広げすぎない
やたらに多くの教材を持っている受験生がいるようですが、私もかつてはそうでした。あれもこれもと欲張って色んな教材を手に入れてしまう。結局、どれも中途半端になってしまい、実力が身につかない。
今の時代、ありとあらゆる情報が飛び交っていますので、どのテキストを読めばいいのか判断できずに迷ってしまうことがあると思います。肝心なことはどのテキストを選ぶかではなく、一度決めたテキストは変えずに心中するつもりで繰り返し読み込むことです。
司法書士受験に完璧なテキストはありません。どれを選んでも情報の過不足が生じますが、合格点は取れるように作られています。
繰り返すことによる効果は想像以上に大きいものです。長期記憶となって頭の中に定着したものは、少々のことでは忘れることはありません。
解答テクニックを身につける
法律の勉強と同様に重要なのが解答テクニックです。特に午後の試験について触れていきます。
択一は全部の肢を検討している時間などありませんから、文章の短い肢から読んでいき、軸肢を決めます。軸肢を間違うとその問題は不正解となりますが、そんなことを気にする必要はありません。軸肢の判断で間違わないように知識の精度を上げていくことに注力すればよいのです。
本試験では模試とは違い、慎重になって他の肢も検討したくなりますが、決して読んではいけません。午後の択一基準点は最もクリアしやすくなっていますから、間違いを怖れるよりスピード重視でいきましょう。
記述はどちらから手を付けるかは重要なのですが、その年によって違ってくるので難しいです。私の場合は商登法から解いていましたが、令和4年度は不登法から解いた方が良かったですね。変な問題、令和4年度で言えば合同会社の問題を見たときにすぐに不登法に移るようにするのもテクニックの一つとなるでしょう。
要するに、記述だけでなく択一にも言えることですが、できるところから解いていって確実に点を積み上げていくごく当たり前の戦略が非常に重要となります。