遺言の撤回方法について

遺言の方式に従った遺言の撤回

遺言とは、遺言者が自分の財産について誰に何を残したいのか、最終の意思表示をするものですが、その最終意思は十分に確保しなければなりません。一度作成した遺言を撤回して新たな遺言を作成したいということも起こり得ます。

そこで、遺言者は、いつでも、遺言の方式に従って、その遺言の全部又は一部を撤回することができると定められています。

遺言の方式

民法の定める遺言の方式は、普通方式と特別方式に大別され、普通方式には、1.自筆証書遺言、2.公正証書遺言、3.秘密証書遺言があります。 特別方式には、危急時遺言や隔絶地遺言などがあります。

遺言は方式に則って作成しなければなりませんので、定められた方式を満たしていない遺言に効力は認められません。撤回をするにあたり、遺言の方式はどれを選んでも構いません。例えば、公正証書遺言を自筆証書遺言で撤回することも可能です。

ちなみに、特別方式はほとんど利用されていませんが、特別方式によりした遺言は、遺言者が普通方式によって遺言をすることができるようになった時から6箇月間生存するときは、その効力を生じないと規定されています。

前の遺言と抵触する遺言を作成する方法

前の遺言が後の遺言と抵触するときは、その抵触する部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなされます。

例えば、前の遺言の「甲土地をAに相続させる。」の記載を後の遺言で「甲土地をBに相続させる。」とした場合です。両者の遺言内容は両立させることができませんので、抵触に該当します。したがって、前の遺言は撤回したものとみなされます。

生前処分その他の法律行為と抵触する場合

上の例で、「甲土地をAに相続させる。」を内容とする遺言作成後に、遺言者が甲土地を売却することがあります。不動産を相続させる予定にしていたところ、遺言者の高齢者施設入所資金に充てるために売却しなければならなかったなどが考えられる理由となります。

遺言者が遺言後にその内容と抵触する生前処分その他の法律行為をしたときは、これらの行為で遺言の抵触する部分を撤回したものとみなされます。

遺言書または遺贈目的物の破棄

遺言者が故意に遺言書を破棄したときは、その破棄した部分については、遺言を撤回したものとみなされます。遺言者が故意に遺贈の目的物を破棄したときも同様です。

自筆証書遺言は対象となりますが、公正証書遺言は原本が公証役場に保管されますので、対象とはなり得ません。

遺言の撤回の撤回

撤回された遺言は、その撤回の行為が、撤回され、取り消され、又は効力を生じなくなるに至ったときであっても、その効力を回復しない。ただし、その行為が錯誤、詐欺又は強迫による場合は、この限りでないと規定されています。

例えば、第1遺言を撤回した第2遺言を更に撤回しても、原則として第1遺言の効力は回復しません。ただし書きについては、錯誤、詐欺又は強迫によって撤回する行為は遺言者の真意に基づくものではありませんので、第1遺言の効力が回復することを定めた例外となります。

 

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