Author Archive

相続登記をすると不動産業者からDMが大量に届く理由

2025-06-23

はじめに

相続登記等が完了すると、不動産業者等から相続不動産の所有者に対して、ダイレクトメールや電話、訪問等の手段で、売却等の勧誘がされている実態があることをご存知でしょうか。

登記申請を司法書士に依頼した場合には、司法書士が情報を漏洩しているのではないかと疑念を抱く方もいらっしゃるようです。決してそのようなことはないのですが、大量のダイレクトメールを不動産業者から送りつけられるのは非常に迷惑だと思います。

そこで、今回は何故そのようなことになるのかについて解説したいと思います。

不動産登記受付帳

不動産登記受付帳とは、登記が申請された際に受付年月日、受付番号、登記原因(相続、処分の制限に関する登記等)及び不動産の所在等が記録される帳簿のことです。

この受付帳は、行政機関情報公開法による開示の対象となっていて、その受付帳の写しを誰でも取得することが可能となっています。ただし、登記名義人の住所氏名は記載されていませんので、登記情報提供サービスを利用することによってそれらが判明します。

不動産の所在は一つしか記録されませんが、抹消済みを含めた共同担保目録を取得することで受付帳に載っていない不動産が判明することもあります。

名簿業者

受付帳の開示請求によって、地域別の最近相続登記が申請された不動産、差押え等の処分の制限に関する登記が申請された不動産等をリスト化してそれらを販売している名簿業者が存在しているようです。

相続登記であれば売却、リースバック等につき、処分の制限に関する登記であれば任意売却等の勧誘を目的とする営業活動が効率的に行えるというわけです。

抵当権設定登記であれば、最近は利上げ傾向の状態にありますので数は少ないと思いますが、金融機関にとっては抵当権設定者が借り換えの営業対象になり得るのです。

個人情報保護との関係

不動産登記簿は、DV被害者住所等の一部の例外を除いて公開されています。住所氏名だけでなく、離婚(財産分与)、破産、住宅ローンの有無まで知られてしまうのが現状です。

一方で、不動産登記制度には権利関係を公示する重要な役割を果たしている側面もありますので、個人情報保護との関係で両者の調和にも配慮していく必要がありそうです。

司法書士の見解

司法書士に対する直近のアンケート結果によると、不動産登記受付帳の情報公開については何らかの制限が必要であり、プライバシーに配慮する必要があるという意見が多く、情報公開はやむを得ない、プライバシーの名のもとに騒ぎ過ぎるという意見は少数でした。

電子定款の認証手続を自分でする方法

2025-06-16

はじめに

公証人の認証を必要とする定款は株式会社、一般社団法人及び一般財団法人等です。対して、合同会社等の持分会社の定款については公証人の認証は不要です。「会社を設立するには定款の認証が必要です。」というのは正確ではありませんのでご注意ください。

電子定款の最大のメリットは、印紙税4万円が不要になることです。また、自分で手続を行えば、司法書士等の専門家に依頼した場合のような報酬の負担がありません。

公証役場との事前打合せ

定款の認証は、会社の本店の所在地を管轄する法務局又は地方法務局に所属する公証人しかできません。例えば、本店所在地が東京都内のときは、東京都内のどの公証役場でも構いません。

電子定款の認証請求をするときは、必ず事前に請求先の公証役場に電話をするなどして、担当者と事前の打合せをしましょう。定款認証については、内容に不備があると、設立登記ができなくなるおそれがありますので、申請前に指名する公証人と連絡を取っていただき、定款の内容等について、公証人の事前審査を受けてください。

公証役場によっては、実質的支配者となるべき者の申告書(電子署名済のもの)の提出を事前審査の段階で求められますし、公証役場に直接来所する場合にはウェブ会議の利用を希望しない旨の申告書が必要です。定款案のPDFファイルと一緒にそれらを添付して公証役場にメール送信します。紙ベースの定款(同一情報の提供の書面)が欲しいときは、手数料の計算に必要となりますのでその旨を記載しておきます。

電子定款の作成と電子署名

認証の対象となる電子定款は、PDF形式で保存されたものに限られます。電子文書に電子署名をするには、Adobe Systems 社の市販ソフトウェア「Adobe Acrobat(Standard または Professional)」その他のソフトウェアを使用してください。また、電子証明書を読み取るために、カードリーダーが必要になります。

マイナンバーカードでPDFに電子署名する手順は、日本公証人連合会のホームページに掲載されていますので、そちらをご参照ください。定款作成については、同ページに掲載された発起人3名以下の場合における支援ツールを利用する方法もありますし、Word等で作成してPDF化してもよいでしょう。

電子公証のオンライン申請

公証人による定款案の事前チェックを終えたら、「登記・供託オンライン申請システム」を利用して、事前の打合せをした指定公証人を指名して、嘱託・請求をします。

電話またはメールで面前審査の日程調整をして、面前審査までに、クレジットカード払い又はインターネットバンキングを利用して手数料を支払います。

手数料の額は、資本金の額に応じて3~5万円になりますが、定款に「設立に際して出資される財産の最低額」を記載している場合には「5万円」の手数料額となります。資本金の額が300万円未満の株式会社の場合には注意が必要です。

また、公証役場からウェブ会議に接続するためのURLがメールで送信されます。

公証人による電子公証

ウェブ会議を利用する電子認証の場合を想定しています。予約した日時に、公証役場からメール送信したウェブ会議接続用のURLをクリックし、公証人による面前審査を受けます。面前審査の際、顔写真付き身分証明書を確認しますので、お手元にご準備ください。

ウェブ会議には、FacePeer社の提供するFaceHubを利用します。パソコン、スマートフォン、タブレットに対応しており、以下のウェブブラウザから接続することができます。なお、FaceHub専用アプリのインストールが必要なことがありましたが、現在は不要となっています。

  • 【パソコン】
    Windowsの場合 → Google Chrome、 Firefox、 Microsoft Edge
    Macの場合 → Google Chrome、 Firefox、 Safari
  • 【スマートフォン、タブレット】
    Androidの場合 → Google Chrome
    iOS、ipadOSの場合 → Safari

電子定款の受取

オンライン申請システム又はメールのいずれかお好きな方法で受領できます。認証後、申告受理および認証証明書、領収書のほか嘱託人の請求により、同一情報の提供の書面(定款謄本)も同封して、嘱託人に送付されます。

また、嘱託人から希望があれば、郵送された電子媒体(CD-R等)に認証済みの電子定款を格納して、返信用のレターパックに同封して受け取ることも可能です。

東京地方裁判所本庁倒産部における法律上の根拠のない独自の運用について

2025-06-09

はじめに

タイトルを見て何を言っているのかよくわからないと思いますが、今回は破産手続の話です。

破産申立てをする方法は、弁護士を代理人として申立てをする方法と本人自らが申立てをする方法があります。後者の場合は、司法書士が書類作成業務を行い、本人申立てを支援するケースがほとんどです。

東京司法書士会会長の声明

令和7年5月23日、東京司法書士会長がこの記事のタイトルに係る声明を出しました。司法書士会は全国の各都道府県に設置されていますので、東京司法書士会は、東京都内に事務所を有する全ての司法書士により組織し設立することが義務付けられた団体です。

司法書士を名乗るためには、登録すること以外に事務所所在地を管轄する司法書士会に入会しなければならないのです。

代理人選任の強い要請

東京地方裁判所本庁において破産を取り扱う民事第20部(倒産部。以下「民事20部」といいます。)は、平成11年から、破産申立てに弁護士を代理人として選任することを強く要求するようになり、以後の統計上、代理人を選任しない破産申立ての割合は従来の約14%から急激に減少し、平成15年には1%を切り、事実上の代理人選任強制に近い制度を完成させています。

要は、上述したように本人による破産申立ても可能なのですが、代理人選任の有無のみをもって予め事件の取扱いに差異を設け、代理人を選任するよう誘導しているのではないか、当該取扱いに法律上の根拠はないとの主張です。

予納金の差異

民事20部における少額管財制度は、代理人が選任されている破産申立てにおける予納金の額を一律に20万円とする一方、代理人を選任しない債務者本人による破産申立てにおいては一律に50万円以上の予納金を求めています。

要は、弁護士に依頼した方が予納金は30万円以上安くなるということです。もちろん、報酬は別途かかりますのでトータルで試算するなら、比較検討する必要があると思います。

費用負担を強いられる債務者

民事20部の運用により代理人を選任するよう誘導させられ、また管財費用として要することとなった追加費用は、経済的苦境にある債務者が負担することとなります。

民事20部は、事件の審査という裁判所に課せられた任務を代理人又は管財人という外部職能にアウトソーシングして事務負担を軽減しつつ、その費用負担を経済的苦境にある債務者に負わせることで、代理人を選任することなく破産の申立てを行おうとする債務者を根絶しようとしています。

要望書の提出

東京司法書士会は東京地方裁判所に対し、本件声明と同趣旨の文書を過去6回にわたり提出しましたが、東京地方裁判所はこれらに対する回答を一度たりともしていません。

なお、上記のうち、平成25年4月26日付け「東京地方裁判所破産部の運用に対する意見書」については、東京司法書士会ホームページで公開されています。

手続選択の権利

司法を利用する国民は、自らの力で手続を進めるのか、法律専門職に書類作成を依頼して手続を進めるのか、法律専門職を代理人に選任して手続を進めるのかを自主的に選択する権利を有し、その選択の自由は尊重されなければなりません。

最後に

破産申立ては、弁護士に丸投げする方が楽だという風潮があるように感じます。2度目の破産申立てに関するご相談者のほとんどが過去に弁護士に依頼されたという事実があります。

破産手続は目的ではなく、生活再建のための手段です。借金に頼らなくても生活できるように、自身の収支を把握したうえでそれを見直していく作業が必要なのです。その結果、生活保護受給申請をしなければならないことも生じます。

司法書士の業務は書類作成による本人申立ての支援だと言えます。本人申立てを選択される方々に対しては、自主的に生活再建を目指し、決して他人事にしない強い意志をお持ちだと感じます。

逆走車事故に遭わないためにするべきこと

2025-06-02

新名神高速で逆走車事故

「【2025年5月19日】
【NHK NEWS WEB】により
【新名神高速 逆走車事故 10キロ先PA併設のICから一般道に出たか】
 というニュースが掲載されました。」

事故の概要

5月18日午前11時ごろ、三重県亀山市の新名神高速道路の下り線で乗用車が逆走し、2台の車に接触したほか、よけようとした別の車の列に後続車が追突して、40代から60代の女性4人がけがをしました。逆走した車はそのまま走り去り、およそ10キロ先のパーキングエリアに入ったとみられることがわかりました。

警察は、パーキングエリアに併設されたスマートインターチェンジから一般道に出た可能性もあるとみて、行方を捜査していましたが、車2台に対する当て逃げの疑いで滋賀県に住む容疑者を逮捕するに至りました。警察は逆走し、逃げたいきさつを調べることにしています。

増える逆走車

最近、逆走車に関するニュースが増えている気がします。私が陸送の仕事をしていた20代の頃はそのような事はほぼ無かったのですが、今と何が違うのでしょう。

当時、ETCはなく、料金所では停車するものというのが当たり前でしたので、有人の料金所によって逆走を未然に防ぐことができていたのかもしれません。また、運転者の高齢化により、高齢ドライバーが増えていることも要因の一つかもしれません。

いずれにしても、今回事故が起きた高速道路は毎年山口に行くために通る場所なので、今後私や家族が巻き込まれるおそれがあります。

逆走車に遭遇した際には、どのように対処したらよいのか、事故に巻き込まれないようにするにはどうすればいいのかについて考えてみたいと思います。

車間距離をとる

上記NHKの記事によると、交通事故の調査・分析を行う専門家の意見として、「ふだんから十分な車間距離を保って走行することが大切だ」と挙げられています。

皆が車間距離をとることで、追い越し車線を走る車が逆走車に遭遇した際に走行車線へ移るスペースが確保されますので、有効な手段だと思います。

スピードを控える

多くの事故は、スピードを控えることで発生を抑止することができるとされています。そのことにより、追い越し車線を走る機会が減りますので逆走車と遭遇する確率は下がります。

ただし、ゆっくり過ぎるのも問題がありますので、交通の流れに乗って走ることが重要ではないでしょうか。特に、乗用車が大型車より遅い速度で走ることは避けるべきでしょう。

本線上で停車しない

より怖いのは、逆走車との正面衝突より高速道路上で停車した際の追突です。今回の事故においては、航空写真を見る限り乗用車に追突されてけが人が出たようです。もし、大型車に追突されていたら命を落とす危険があったかもしれません。

追い越し車線で逆走車に遭遇したら、減速して停車せずに走行車線に移ることがよいのではないでしょうか。走行車線に車がいる場合には、減速しながら多少の割り込みとなっても私なら車線変更を試みると思います。

警察への通報のために停車するのはお勧めできません。例え、路肩に駐車スペースがあったとしても同様です。言うまでもなく、追突されるおそれがありますし、本線上で停車するのはそうしなければならない緊急の事情がある場合だけです。通報は、走行したまま同乗者にしてもらうか、次のパーキングで停車してからで十分です。

婚姻の身分上の効力について

2025-05-26

はじめに

歴史的な文化や社会構造の変化によって婚姻に対する考え方も変化してきています。

私が民法を勉強していた頃は、婚姻の効力については成年擬制が重要な論点でしたが、現在では条文は削除され、他の条項についても改正がされています。そこで、今回は婚姻の身分上の効力について解説したいと思います。

夫婦同氏の原則

夫婦は、婚姻関係が継続する限り、つまり、婚姻中は必ず同一の氏を称さなければなりません。民法等の法律では、「姓」や「名字」のことを「氏(うじ)」と呼んでいることから、同じ姓や名字を称さなければならないと読み替えても問題ありません。

法律上は夫婦どちらの氏を称してもよいのですが、実際には男性の氏を選び、女性が氏を改める例が圧倒的多数です。このようなことから、女性の社会進出等に伴う職業上の不利益、アイデンティティの喪失等を理由に選択的夫婦別姓制度の導入が議論されています。関心を寄せている方も多いでしょう。

平成27年の最高裁判決では、夫婦同氏の原則について、「氏には、夫婦及びその間の未婚の子が同一の氏を称するとすることにより、社会の構成要素である家族の呼称としての意義がある」、「夫婦同氏制度は、家族を構成する一員であることを対外的に公示し、識別する機能を有している」、「家族を構成する個人が、同一の氏を称することにより家族という一つの集団を構成する一員であることを実感することに意義を見いだす考え方も理解できる」、「夫婦同氏制度の下においては、子の立場として、いずれの親とも等しく氏を同じくすることによる利益を享受しやすいといえる」旨の判示がされています。

対して、選択的夫婦別姓制度については、「例えば、夫婦別氏を希望する者にこれを可能とするいわゆる選択的夫婦別氏制度について、そのような制度に合理性がないと断ずるものではない」、「この種の制度の在り方は、国会で論ぜられ、判断されるべき事柄にほかならないというべきである」旨の判示がされています。

生存配偶者の復氏

夫婦の一方が死亡したときは、生存配偶者は、婚姻前の氏に復することができます。離婚の場合と違い、当然に復氏するわけではありません。

同居、協力及び扶助の義務

夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければなりません。判例によれば、理由なく同居を拒む配偶者に対しては、他方は同居を請求することができますが、その者の意思に反した同居の強制執行は認められません。

貞操義務

貞操義務は、民法において明示的に規定されているわけではありませんが、婚姻の本質若しくは一夫一妻制に起因し、または、配偶者に対する誠実義務として解釈され、判例においても当然のこととされています。また、不貞行為が裁判上の離婚事由とされていますが、貞操義務を前提としているものと考えることもできます。

なお、離婚事由のうち「配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。」が民法等の一部を改正する法律(令和6年法律第33号)により、削除されています。この法律は、一部の規定を除き、令和6年5月24日から起算して2年を超えない範囲内において政令で定める日に施行されます。

成年擬制

令和4年4月1日施行の民法改正により、成人年齢が18歳に引き下げられ、また、婚姻可能な年齢も男女ともに18歳と改正されたことで、婚姻による成年擬制の条文は削除されています。

夫婦間の契約の取消権

夫婦間でした契約は、婚姻中、いつでも、夫婦の一方からこれを取り消すことができるとされていましたが、上記の令和6年5月17日に成立した「民法等の一部を改正する法律」により条文が削除されます。施行については、上述したとおりです。

高齢者向けのプラチナNISAとは?

2025-05-19

金融庁が検討へ

2025年4月、日本経済新聞の記事によると、金融庁は高齢者向けの少額投資非課税制度(NISA)を創設する検討に入り、2026年度の税制改正要望に盛り込む方向だとのことです。運用益などを分配金として毎月払い出す「毎月分配型」の投資信託を高齢者に限定して対象に加える案が浮上しています。プラチナNISAと銘打ち、高齢者が運用資産を計画的に活用できるようにすることを目指します。

その後、自民党の資産運用立国議員連盟の会長である岸田前総理大臣は、高齢者に限定して対象となる金融商品を拡大できる制度(プラチナNISA)の導入などを石破総理大臣に提言しました。

つまり、プラチナNISAは未だ検討段階の制度であり、今後実施されることが予定されているに過ぎません。この記事では、プラチナNISAの概要、デメリット等を解説したうえで私自身の見解を述べたいと思います。

概要

対象年齢が65歳以上に限定されること、毎月分配型投資信託など分配金を受け取りやすい商品が投資対象に追加されることが主なものとなります。

現行NISAでは、毎月分配型投資信託を購入することができません。運用益を再投資し、長期積立を前提として資産形成をより効率的にすることを目的としているためです。一方で、年金だけでは生活できない高齢者は長期投資をする時間がないことから、分配金を毎月受け取って生活費に充てたいといったニーズがありました。

投資信託はゴミ商品

信託という言葉について考えてみたことはあるでしょうか。文字通り自分の財産を信じて託すものです。つまり、投資信託は運用益を得ることを目的として自分の財産を信用できる運用会社(ファンドマネージャー)に託すことを意味します。

もちろんタダではありませんから、信託報酬等のコストがかかります。運用会社等の金融機関側は運用益を出せずに託された財産が元本割れをおこしても報酬は受取ります。要するに投資家が得をしようが損をしようが、純資産総額に応じた一定割合の報酬を得ることができるわけです。

このことから、私は投資信託とは人の褌で相撲を取るものだと考えています。それでは、何故お前はオルカンに投資をしているのだと思われるでしょう。一番の理由は低コストであること、次に世界中の株式を個人が購入することはできないので投資信託に頼るしかないということです。

投資信託で一番に考えなければならないのはコストです。残念ながら毎月分配型投資信託のコストは、オルカン、S&P500等インデックスファンドと比べると著しく高い傾向にあります。

タコ足分配

毎月分配金が受け取れることは確かに魅力的かもしれません。ただ、うまい話には裏があることにも注意する必要があると思います。分配金を出す投資信託は、利益が出ていないときでも無理に分配金を出すことがあり、これを元本払戻金(特別分配金)といいます。

2025年4月時点、トランプ関税等によって株価は暴落し、多くの投資信託が元本割れしています。その上で元本を払い戻すわけですから、預貯金の取り崩しより事態は悪化することが容易に想定されるのです。

個別株の配当利回りを考えてみればわかるでしょう。大体3~4%程度のものが多いでしょうから、例えば1000万の株式を保有していたとして、年間の配当金は30~40万円となります。このことからも、毎月多額の分配金を受け取るには投資元本を多額にしなければなりません。

言うまでもなく、ボラティリティが激しいのが株式ですから高齢者が負うには余りにも大きなリスクだと考えます。

取り崩しながら運用する

上述したように、プラチナNISAのデメリットは高コストとタコ足分配です。金融機関側が儲かる制度であり、高齢者にはデメリットを上回るメリットはないと考えます。

株式投資は時間を味方につけてこそ効果を発揮するものです。その時間がないからといって毎月分配型投資信託を勧めるのは、あまりにも短絡的過ぎます。私のお勧めは、1年でも早く低コストのインデックス投資を始めて、仕事を辞める等のタイミングでそれを定期売却し、取り崩しながら運用することです。

自転車交通違反に反則金が科される!(2026年4月から)

2025-05-12

道路交通法の改正

2024年5月17日、自転車の交通違反に反則金を納付させる、いわゆる「青切符」による取締りの導入を盛り込んだ改正道路交通法が可決・成立し、同月24日に公布されました。青切符による取締りは、公布日から起算して2年を超えない範囲内において政令で定める日までに施行される予定となっていました。

それを受けて、2025年4月、警察庁は自転車の交通違反に対して、車やオートバイと同様に反則金の納付を通告するいわゆる「青切符」による取締りを2026年4月1日から行う方針を固めました。

導入された背景

近年の交通事故等の情勢は原付以上運転者については減少傾向にありますが、自転車運転者については増加傾向にあることが挙げられます。

警察庁によると過去3年間の取締りの対象となった違反類型は、多い順に信号無視、遮断踏切立入り、一時不停止、傘を差したりイヤホンを付けて音楽を聴いたりしながら運転するなど都道府県の公安委員会で定められた順守事項の違反となっています。

対象年齢

16歳以上が対象となります。通勤、通学、幼稚園・保育園等の送り迎え等で自転車を使わざるを得ない人は多くいらっしゃると思います。

その中でも18歳未満の未成年者も対象者になり得るので、親権者には自転車通行に関するルール等についてしっかりと指導監督することが求められます。

反則金の額(案)

  • 携帯電話を使用しながら自転車を運転する、いわゆる「ながら運転」 1万2000円
  • 遮断機が下りている踏切に立ち入ること 7000円
  • 信号無視 6000円
  • 逆走や歩道通行などの通行区分違反 6000円
  • 一時不停止 5000円
  • ブレーキが利かないなど、制動装置の不良 5000円
  • 傘を差したり、イヤホンを付けて音楽を聴いたりしながら運転するなど、都道府県の公安委員会で定められた順守事項に違反する行為 5000円
  • 無灯火 5000円
  • 並んで走行する並進禁止違反 3000円
  • 2人乗り 3000円

反則金を払わないとどうなる?

警察官が現認可能な明白で定型的な違反行為について、青切符が切られます。自転車運転者が違反行為を認めたくない場合は、青切符へのサインは任意ですし、反則金の支払いも同様です。

反則金を支払わないときは、一般的な刑事手続(事件)と同様に検察庁に送致され、起訴されることにより裁判になる可能性があります。有罪とされ罰金等の刑事罰が科されますと、前科がつきます。

対して、反則金を納付すれば、通常の刑事手続によることなく、簡易迅速に違反処理を終結することができるのです。違反者・警察双方の負担軽減につながるというメリットを考慮して、反則行為という規定を設けた経緯があります。

株価暴落で新NISA民大損失!今後どうする!?

2025-05-07

現状報告

昨年7月からオルカンへの投資を始めたわけですが、相互関税等によって経済状況の悪化が懸念されていることによる米国株の下落、円高によって約20%の損失を抱えた状態です。世界同時株安、ドル円下落のダブルパンチを食らっています。

新NISAからインデックス投資を始めた方の多くが私と同じように含み益が全て吹っ飛んで含み損を抱えていることでしょう。含み損がだんだん増えていく状況は決して面白くはないですし、精神的にもつらいものがあります。

対して、旧NISAから始められた方は、まだ含み益を抱えていらっしゃるかもしれません。改めて長期投資の重要性を痛感させられます。

暴落煽り

SNS上にはまだまだ下がる、今すぐ逃げろなどの暴落煽りの投稿が散見されます。私がよく視聴しているYouTube上でも同様ですが、多くの投資系YouTuberは落ち着いた行動をとることを促す動画内容をアップしていることが多い気がします。

サムネは悲観的なものが非常に多いのですが、視聴回数を増やすためにやっていることなので、そういうものだと割り切ることも必要なのでしょう。

私は、投資系の動画を観ることが非常に少なくなりました。というのも、どれも同じ内容のものばかりだし、特に目新しいことはなくネタが尽きてしまっている感が否めないからです。

含み損益

含み益は幻だとよく言われます。正にその通りで、利確しない限り利益は実現しないのです。含み損も同様で、損切りしなければ損失が確定するわけではありません。

株価の騰落に一喜一憂することは無意味なことですし、私自身一喜一憂することがなくなりました。どんなに暴落しても信用取引のように追証を求められたり、強制決済されることがないわけですから、オルカン、S&P500インデックス投資のような現物取引はずっと握っていることができるわけです。

損切りについて

これ以上損失を増やさないために損切りした方がよいと考えられる方がいらっしゃるかもしれません。投資は自己責任で行うものですから、投資家の判断にケチをつけるつもりはありませんが、インデックス投資を始めた時のことをよく思い出して欲しいです。

過去を振り返れば、米国株は何度も暴落をしてその度にそれを乗り越えて最高値を更新してきたわけです。多くの人が50%程度の暴落を想定していたはずですし、2025年4月時点での下げ相場は想定の範囲内だと思います。

それに、インデックス投資は底で買って、天井で売るといったタイミングを計ることが不要なものです。チャートとにらめっこする時間のない一般人でも資産運用が再現性高く実現できるものという知識を身につけて投資を始めたのではないでしょうか。

ちなみに、私はオルカンを損切る予定はないですし、積立を継続するつもりです。

最後に

インデックス投資家はトレーダーではありません。ガチャガチャ売り買いしてキャピタルゲインを狙っているわけではないのです。結局のところ、頻繁に売買すれば手数料・税金等でコストが嵩みますし、じっと何もしないで保有し続けるインデックス投資に多くの場合勝てないことは『敗者のゲーム』を読めば明らかです。

名著を繰り返し読み、インデックス投資を腹落ちするまで自分のものにすれば、多くの個人投資家は私と同様の行動を取るはずでしょう。

ツムツムのプラスツム登場で炎上!

2025-04-28

ツムツム

2014年1月にサービスが開始され、2024年3月に全世界累計1億ダウンロードを突破したパズルゲームです。基本プレイは無料ですし、ほとんどの人がダウンロードしたことがあるのではないでしょうか。ただ、このゲームはコイン稼ぎが大変なことから、すぐに止めてしまう人と長続きする人の大抵はどちらかとなります。

私は2017年11月からスマホ購入と同時に始めており、現在まで続けていますので後者となるでしょう。このゲームに限らず、ゲームは徹底的にやり込むタイプなので性格も影響しているのかもしれません。

長続きする人の方が少数派で、LINEと連携している関係でランキング画面にはスコア0のままの友達がたくさん表示されることになります。我が家では妻と娘も同時期に始め、娘が最初に離脱したのですが、最近またやり始めたようですし、義兄もやっています。

ガチ勢の日常

コイン稼ぎがルーティンとなっており、プレボはもちろん完売しています。その後は限定ツム全部のスキルマを目指すことになり、セレボは完売によって全く引けず、ピックからはプレチケしか出ない状態となります。

たくさんプレイしなければならないことから、私は初期の段階でハート交換グループに入りました。そのことによってハートはカンスト、コインも貯まることから多くのプレイヤーが交換グループへ入ったことがあるようです。今でも交換は続けていますが、全盛期よりは頻度は落ちています。

このようにゲームをするというよりは、同じことを繰り返す作業をしているといった方がよいのかもしれません。定期的にイベント等がありますが、普段使っているコイン稼ぎツム以外のツムを使うという非日常的なことを体験できます。多くの人はそれを面白いと感じることはなく寧ろ苦痛に思えてきますので、すぐに止めてしまう原因となるのです。

プラスツム登場

2025年3月、何の予告もなしに突然プラスツム登場が発表されました。ツムツム公式Xのリプ欄には運営を批判するものが溢れていましたので、いくつかを掲載してそれに対する私の見解を述べたいと思います。

  • 課金要素を強めてきた
    プレボプラスからプラスツムしか出ないガチ勢でもプラスツムをスキルマにするのは容易ではありません。課金してメダルに交換するか、スキチケを突っ込むかのどちらかとなります。YouTubeの配信者には、低スキルのプラスツムで長時間メダル稼ぎをする方、アリス+が出たときに課金をされた方等がいらっしゃいました。

    ゲーム運営もビジネスですから、課金要素を強めるのは致し方ないことだとも言えます。ただ、私の経験上、課金要素を強めたゲームは直後にサ終することが多いように感じます。
  • メダルが稼げない
    メダルはプラスツムでしか稼げないうえに現状のプラスツムでは多くのメダルを稼ぐことはできません。また、プレボプラスにはプラスツム以外の限定ツムが入っているためにガチ勢以外の人はプラスツム自体を手に入れることが困難となっています。

    常駐ツムではなく限定ツム、ガストンではなくワイルドガストンが入っていることで運営に煽られている感じがします。

やることがないのが一番つらい

ゲームだけではなく仕事でもそうですが、やることや目標がないことが一番面白くない状態だと思います。メダル稼ぎは確かに気が遠くなるほど時間もかかりますし、非効率的です。しかし、もっと鬼畜なゲームもありますし、同じことを繰り返す作業に苦痛を感じない人なら課金をしなくてもプラスツム環境にも対応していけるのではないでしょうか。

低スキルでのメダル稼ぎはコインを減らしますので、私はコイン9・メダル1くらいの割合でコイン・メダル稼ぎをしています。使用しているのはアリス+のスキル1です。最近、大ツムアリスをボムで消す方法が発見されたようです。早速試してみましたが、スキル1でも効果はあると感じました。

今後のプラスツムに期待です。母体確保のためのメダルを少しずつ貯めていくつもりです。稼げるツムが来たら貯めてきたルビー、スキチケを一気に投入します!

譲渡制限株式の譲渡に係る承認手続

2025-04-21

2つの方法

譲渡制限株式を譲渡するには、譲渡の際に株式会社の承認を受けなければなりません。承認を請求するには2つの方法があり、譲渡前に譲渡人(株主)が請求するものと譲渡後に譲受人(株式取得者)が請求するものです。

会社法第136条

譲渡制限株式の株主は、その有する譲渡制限株式を他人(当該譲渡制限株式を発行した株式会社を除く。)に譲り渡そうとするときは、当該株式会社に対し、当該他人が当該譲渡制限株式を取得することについて承認をするか否かの決定をすることを請求することができる。

第137条
譲渡制限株式を取得した株式取得者は、株式会社に対し、当該譲渡制限株式を取得したことについて承認をするか否かの決定をすることを請求することができる。
2 前項の規定による請求は、利害関係人の利益を害するおそれがないものとして法務省令で定める場合を除き、その取得した株式の株主として株主名簿に記載され、若しくは記録された者又はその相続人その他の一般承継人と共同してしなければならない。

以後、2つの請求を併せて譲渡等承認請求と呼ぶことにします。株主からの請求は単独ですることができますが、株式取得者からの請求は原則として株主と共同してしなければなりません。本当に株式の譲渡がなされたのかを担保するためです。

承認機関

譲渡等承認請求がされた場合の承認を決定する承認機関は、取締役会設置会社であれば取締役会、取締役会設置会社でなければ株主総会(普通決議)となります。

定款で承認機関を別途定めることもできますし、承認機関については会社法上の制限は設けられていませんので、代表取締役を承認機関とすることも可能とされています。

買取り請求

譲渡等承認請求の際には、あらかじめ株式会社が承認しないときは株式の買取りを請求することができます。株式会社が買い取ることもできますし、別に指定買取人に買い取らせることも可能です。

指定買取人の決定機関は譲渡等承認請求の承認機関と同じとなります。取締役会設置会社ではない株式会社においては、買取りに関する事項の決定及び指定買取人の指定は株主総会の特別決議で行う必要があります。

承認決定通知

承認機関が承認の決定をしたときは、譲渡等承認請求をした者に対し、当該決定の内容を通知しなければならないとされています。

対して、あらかじめ買取りの請求を受けた場合において、承認をしない旨の決定をしたときは、当該譲渡等承認請求に係る譲渡制限株式を買い取らなければなりません。

買取りの通知

買取りの通知は、株式会社が買取る場合には株式会社が行い、指定買取人が買取る場合には指定買取人が行うこととされています。

譲渡等承認請求の際に買取りの請求をした譲渡等承認請求者は、買取りの通知を受けた後は、株式会社、指定買取人の承諾を得た場合に限り、その請求を撤回することができます。

« Older Entries

keyboard_arrow_up

0422478677 問い合わせバナー