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事故発生
福島県の磐越自動車道で、部活動の遠征中だった高校生21人が死傷する痛ましい事故が起きた。犠牲になった生徒の無念を思うと胸が締めつけられる。今回の事故は単なる運転ミスではなく、学校側とバス会社側の認識のズレ、安全管理の甘さ、そして制度上の問題が複雑に絡み合っていたことが見えてきた。
学校側とバス会社側の主張の食い違い
北越高校の寺尾顧問は「蒲原鉄道にバスの運行を依頼した」と認識していたと証言している。一方、蒲原鉄道の茂野社長は「貸し切りバスではなくレンタカーで送迎したいという依頼を受けた」と説明し、両者の主張は真っ向から対立している。
当日、生徒たちが乗ったのはレンタカー会社の白ナンバーのマイクロバスだった。手配したのは蒲原鉄道の営業担当者で、費用を抑えたいという要望があったため貸し切りバスではなくレンタカーを選んだと説明している。しかし寺尾顧問は「白ナンバーであることも、運転手が蒲原鉄道の社員でないことも事故後に初めて知った」と述べ、依頼内容そのものが食い違っている。
さらに運転手についても、営業担当者は「学校から運転手がいないと言われたので紹介した」と主張する一方、顧問は「受け取ったメモには運転手の紹介の記載はなかった」と反論している。
白ナンバー車での送迎は原則違法
ここで重要なのは、白ナンバー車は有償での旅客輸送が認められていない点だ。レンタカーを借りて、対価を受け取って人を運ぶ行為は道路運送法上の違法行為となる。たとえ少額の謝礼であっても、反復的・習慣的に行われていれば同様だ。
高校側が「違法性の認識はなかった」と強調する背景には、この点があるのだろう。もし、費用を抑えるためにレンタカーで送迎してほしいと依頼していたとなれば、学校側の責任が問われかねない。
運転資格の問題
マイクロバスの運転には中型免許(8t限定なし)または大型免許が必要だ。さらに、旅客から運賃を取る場合は緑ナンバーのバスを使い、大型二種免許を持つプロの運転手が必要となる。貸し切りバスが高額になるのは、車両だけでなくプロの運転手の人件費が含まれるためだ。
今回のように費用を抑えるためにレンタカーを使い、運転手を誰でもいいからと探すやり方は、安全管理上きわめて危険だったと言わざるを得ない。
再発防止のために必要なこと
同じ事故を繰り返さないためには、まず「白ナンバー車での有償送迎は違法」という基本を徹底する必要がある。学校行事や部活動の遠征では、必ず緑ナンバーの貸し切りバスを利用することが原則だ。
しかし、運転手不足や高齢化により貸し切りバスの料金は高騰しており、保護者負担が重くなるという現実もある。費用を抑えるためにレンタカーを借り、顧問や保護者が無償で運転する方法も理論上はあるが、長距離移動や高速道路の運転を素人に任せるのは現実的ではない。
結局のところ、安全を確保するにはプロに任せるしかない。そのための費用は、学校・自治体・保護者のどこがどの程度負担するのか、社会全体で議論する必要がある。
おわりに
今回の事故は、単なる不運ではなく、制度の隙間と認識の甘さが重なって起きた防げた事故だった。犠牲になった生徒たちの命を無駄にしないためにも、学校現場の慣習を見直し、安全を最優先にした仕組みづくりが求められている。

司法書士の藤山晋三です。大阪府吹田市で生まれ育ち、現在は東京・三鷹市で司法書士事務所を開業しています。人生の大半を過ごした三鷹で、相続や借金問題など、個人のお客様の無料相談に対応しています。
「誰にも相談できずに困っていたが、本当にお世話になりました」といったお言葉をいただくこともあり、迅速な対応とお客様の不安を和らげることを心掛けています。趣味はドライブと温泉旅行で、娘と一緒に車の話をするのが楽しみです。甘いものが好きで、飲んだ後の締めはラーメンではなくデザート派です。
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