単身者だけの問題ではない孤独死を防ぐには

父の孤独死

孤独死を単身者だけの問題だと思っていませんか。私の父には、妻と子供2人がいましたが、母は入院、私を含めた子供2人はそれぞれ実家を出て別居していました。

要するに、結婚して子供がいたとしても、子供の独立後は一人暮らしをすることはあるわけで、死後の発見が遅れることはあり得るのです。

父が亡くなった日

当時、私は実家を間借りして司法書士事務所を開業したのですが、持病のあった父の様子を平日の日中に見ることも目的のひとつでした。

ある朝、いつも通り自宅から実家へ出勤したところ、寝室である和室で仰向けに横たわっている父の姿が目に入りました。見た瞬間、寝ているのかと思ったので、しばらくそのまま同じ場所から様子を見ていたのですが、どうも違うように感じました。

ひょっとしたら、亡くなっているのかと思って動揺したのですが、先ずは落ち着こうと自分に言い聞かせて、父に近寄り脈を計ろうと手首に触れました。既に冷たくなっていました。念のため呼吸をしているかも確認したのですが、呼吸もしていません。

すぐに119番通報して、心肺停止であることを伝えました。心臓マッサージをすることを告げられましたが、動揺して上手くできませんでした。救急隊が到着後、社会死だと判断したので今後は警察に引き継ぐ旨を告げられました。社会死とは、すでに生命の兆候がなく、救命の可能性がないと判断された状態を指します。

死体検案

自宅で亡くなった場合には、警察から色々と事情聴取されます。事件、事故、自殺等の可能性があるからです。その後、遺体は警察署に運ばれて死体検案をします。病院で亡くなった場合には医師が死亡診断書を作成しますが、死体検案後は死体検案書が作成されます。

その結果、父の死は発見時から数時間前であったことが判明しました。もし、私が司法書士事務所を開業していなかったら、発見はもっと遅れたことでしょう。

食事配達サービス

父は、生前食時配達サービスを利用していました。高齢者、障がい者等の単身世帯を対象に昼食・夕食を配達するサービスで、配達する際は必ず手渡しをして安否確認をします。返事がない等で安否確認ができない場合には、予め登録された緊急連絡先に連絡が入ることになっています。

死後何日間も発見されないような事態を防ぐためには、有効な手段ではないかと思います。ちなみに、三鷹市においては、ふれあい型給食サービス、毎日型給食サービス及び三鷹市社会福祉事業団の食事の配達サービスを利用することができます。

高齢者施設への入居

最近、配偶者を亡くされて自宅を相続後に売却して、サ高住等の高齢者施設に入居される方が増えているように感じます。理由の多くは子供達に迷惑をかけたくないというものです。要介護状態ではなくても入れる施設もありますし、医療、介護サービスが必要になったとしても対応することができます。

都市部への一極集中が進んでいるのは、適切な医療、介護サービスを受けたいというニーズの存在が要因の一つでしょう。民間会社が介護事業に参入するようになりましたが、地方部においては撤退している事業所が多く、特に訪問介護は採算が取れないので真っ先に撤退対象となっているようです。

終の棲家をどこにするのかは、私と同世代の方には非常に関心のあることだと思います。配偶者と共に高齢者施設に入ることも選択肢の一つですし、何よりも社会から孤立せずに接点を持ち続けることが重要ではないかというのが私の考えです。

 

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