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1都3県の公営墓地で増えている
「【2024年2月20日】
【NHK千葉放送局】により
【複数の遺骨納める「合葬墓」20年で4倍増 1都3県公営墓地】
というニュースが掲載されました。」
少子、高齢、核家族化
先祖代々の墓地を承継していくことが近年難しくなっています。少子、高齢化や核家族化の影響によって、墓地を承継するものがいない、子供へ負担をかけたくないために承継を希望しない、将来の不安があるといったことが原因となっているようです。
ニュースの概要
首都圏の1都3県の自治体が設置する公営墓地で、複数の遺骨を合同で納める合葬墓と呼ばれる墓の数がこの20年で4倍に増えたことが、わかりました。
墓や終活に詳しいシニア生活文化研究所の小谷みどり代表理事は「核家族化が進み、離れて住む子や孫に墓を守ってほしいと言いづらいと考える人たちが、費用が安く管理が簡単な合葬墓を選んでいるのではないか」と話しています。
今、各地の自治体では、合葬墓への申し込みが相次いでいます。千葉市は、2013年に初めて市営墓地に合葬墓を設置し、去年、樹木葬タイプのものを新たに整備しました。この新たな合葬墓に市が今年度、希望者を募ったところ、当初の募集数700件に対して5倍以上の3600件を超える申し込みがありました。生前に夫婦など2人分をまとめて申し込む枠が特に人気が高く、60人分の募集に対して2300人以上の応募があり、倍率は38倍余りでした。
この市営墓地で個別の墓石を建てる場合、永代使用料だけでも最低62万円余りかかり、管理料も毎年5020円が必要ですが、樹木葬タイプの合葬墓の場合は1体当たり4万円から6万円で、年間管理料などはかからないということです。
合葬墓とは
骨壺から焼骨を取り出して他の方のご遺骨と共にする埋葬方法のことを指します。合葬墓では遺骨を骨壺から出して一つにまとめ、そのまま埋葬されるため埋葬した後には遺骨を取り出して返還することはできません。
千葉市平和公園合葬式樹木葬墓地
千葉市は、先祖代々の墓地を承継していくことが困難である方の選択肢のひとつとして、平和公園に合葬式の樹木葬墓地を新たに整備しました。樹木を墓標の代わりとして、その下の共同カロートに多くの焼骨を埋蔵する合葬式の墓地です。樹木のそばには献花・線香台が設置されています。
埋蔵方法は、施設職員が焼骨をお預かりして自然素材の納骨袋に移し替えたうえで、後日、共同カロートに埋蔵します。墓地使用料は1体6万円で、粉状焼骨の場合は1体4万円です。粉状焼骨への加工は施設職員が行い、墓地管理料は不要となります。
民間墓地の樹木葬との違い
骨壺は関東と関西で大きさが異なっています。関東においては、7~8寸と大きめの骨壷を使用します。拾骨の際には、基本的には焼骨(火葬したお骨)をすべて骨壷に入れます。骨壺をそのまま納骨したのではスペースを取ってしまうために、樹木葬では多くの場合骨壺から焼骨を別の骨壺、骨袋等に移し替えます。その際に省スペース化のために粉骨処理を行うこともあります。
民間墓地においては、樹木葬のご契約者やご家族ごとの埋葬スペースが確保されたプランを用意している所が多いです。遺骨を納めた骨壺や骨袋などを、個別の区画に埋葬し、7回忌、13回忌、33回忌など、霊園や寺院が定める期間を超えた後は他の遺骨と合葬されます。
さらに、他人の骨壷と一緒に埋葬される方法である集合埋葬型と呼ばれるものも存在します。費用はまちまちですが、生前に夫婦二人が契約し、後に亡くなった方の7回忌に合祀するプランでは、70~80万円くらいかかるようです。実に公営墓地の10倍以上の費用がかかるのです。
ただ、遺骨が他人のものと混ざらないために後から取り出して改葬することができる場合があるため、選択肢のひとつとして捉えれば良いのではないでしょうか。