このページの目次
報道記事
2026年2月、退職代行サービス「モームリ」を運営する会社の代表者らが、弁護士法違反(非弁行為・非弁提携)容疑で逮捕されました。報道によれば、退職希望者の案件のうち、未払い賃金など法律判断が必要なケースを特定の弁護士にあっせんし、その見返りとして「広告費」名目で金銭を受け取っていたとされています。
退職代行サービス自体は、本人の「退職の意思を伝える」だけであれば違法ではありません。しかし、金銭請求や交渉を伴う行為は「法律事務」に該当し、弁護士でなければ行えません。
弁護士法の規定
弁護士法第72条は、「弁護士でない者が、報酬を得る目的で法律事件に関する法律事務を取り扱うことまたはその周旋をすること」を禁止しています。
ここでいう「法律事件に関する法律事務」には、
- 未払い賃金の請求
- 損害賠償請求の交渉
- 退職条件の交渉
など、法律判断や交渉を伴う行為が含まれます。
今回の事件では、退職代行会社が弁護士に案件を紹介し、その対価として金銭を受け取っていた点が「非弁提携」に該当すると判断されたとみられます。
司法書士に関する非司行為、不当誘致
司法書士法にも弁護士法と同様の規定があり、司法書士法第73条において非司行為を禁止する規定が置かれています。さらに、司法書士にはもう一つ重要な規制があります。
紹介料の授受などの「不当誘致」は司法書士行為規範(旧:司法書士倫理)において、
- 事件の紹介料を支払う・受け取る
- 業務獲得のために不当な誘致を行う
ことが明確に禁止されています。 つまり、弁護士法の非弁提携と同様、司法書士も「紹介料ビジネス」に関わることは許されません。
注意すべきポイント
退職代行サービスや法律トラブルの相談先を選ぶ際には、次の点に注意してください。
- 「交渉します」とうたう退職代行は危険
未払い賃金の請求や退職条件の交渉は、弁護士でなければ扱えません。 - 法律判断が必要な場面は必ず弁護士へ
退職トラブル、損害賠償、残業代請求などは弁護士の専門領域です。 - 司法書士・行政書士でも「交渉」はできない
司法書士業務は登記・供託・簡裁代理などに限定されており、退職交渉や金銭請求の代理はできません。
まとめ
今回のモームリ事件は、専門職以外が法律事務に踏み込む危険性を改めて示した事例です。 退職代行や法律トラブルの相談先を選ぶ際は、
- その業者が法律事務に踏み込んでいないか
- 紹介料ビジネスに関わっていないか
を確認することが大切です。そして、法律判断が必要な場面では、必ず弁護士に相談することが最も安全な選択だと考えます。

司法書士の藤山晋三です。大阪府吹田市で生まれ育ち、現在は東京・三鷹市で司法書士事務所を開業しています。人生の大半を過ごした三鷹で、相続や借金問題など、個人のお客様の無料相談に対応しています。
「誰にも相談できずに困っていたが、本当にお世話になりました」といったお言葉をいただくこともあり、迅速な対応とお客様の不安を和らげることを心掛けています。趣味はドライブと温泉旅行で、娘と一緒に車の話をするのが楽しみです。甘いものが好きで、飲んだ後の締めはラーメンではなくデザート派です。
三鷹市をはじめ、東京近郊で相続や借金問題でお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
