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投資のプロほど否定する
投資初心者はオルカンかS&P500に投資しておけば大丈夫というような風潮が見られます。このような風潮を危惧し、初心者の投資方針を否定したうえで警鐘を鳴らす記事が散見されます。多くの場合、執筆者は短期間で億単位の資産形成に成功した投資の上級者やプロと呼ばれる人です。
ただ、実際のところ個人投資家のほとんどが国外株式に投資しているわけではないようです。20代から40代の世代は国外株式への投資が多いようですが、50代以降の世代は国内株式に投資している割合が高いことが見て取れます(金融庁NISA口座の利用状況調査(令和6年3月末時点))。
いずれにしても、投資上級者、プロ達がオルカン、S&P500等の広く分散されたインデックス投資を否定する根拠に対して、反論したいと思います。
投資のスキルが身につかない
インデックス投資はほったらかし投資とも言われますので、投資の勉強をしないことは投資家のデメリットとなって投資のスキルが身につかないとの主張です。
そもそも、投資未経験者が投資をする理由は、インフレ対策や老後資金の確保を目的としている方が多いのではないでしょうか。投資家として成長しようなどとは考えていないですし、投資に時間を割いて市場平均以上のリターンを得られたとしても非常に効率は悪いです。
そんなことより、自己投資をして本業を頑張ったり、今の生活を充実したものにするほうが有意義だと思います。下手に投資スキルを身につけ、欲張ってよりハイリターンを求めて、個別株、FX、仮想通貨等に手を出すことのほうが怖いのではないでしょうか。
インデックスのスピード以上に資産が増えない
インデックス投資は市場平均のリターンしか得られないローリスクローリターンの投資方法であるとの主張です。
確かにオルカン、S&P500投資は個別株投資に比べればローリスクだとは思います。ただし、投資信託という枠の中では投資対象を株式100%とする金融商品となりますので、インデックスファンドの中でもハイリスクハイリターンなものではないかと考えています。
もし、市場平均以上のリターンを短中期で得たいのならば、アクティブファンド、個別株投資を自己責任でやればいいのではないでしょうか。
インデックス投資は長期運用することで効果を発揮するもので、短中期にリターンを得られるものではないということは、投資初心者として肝に銘じておく必要があるでしょう。
長期間の退屈さに人は耐えられない
長期間にわたる投資は多くの人にとって苦行であり、長続きしない。特に下げ相場で含み損を抱えながら黙々と積立を継続する退屈さに耐えることはできないとの主張です。
率直に仰る通りだと思いますし、それだけ投資で成功するのは難しいことなのでしょう。投資を趣味でするのなら、個別株でも何でもやればいいとは思いますが、やはりインデックス投資が一番合理的で再現性が高い手法ではないかと考えています。
よく言われていることですが、私のような投資アレルギーのある者は金融リテラシーを身につける努力を怠らないことが何よりも重要なのではないでしょうか。