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債権回収会社や法律事務所から債権譲渡通知書が送られてきたときの対処法
債権譲渡通知書、受任通知書が送られてくる
クレジットカード会社に対し未払いの利用代金がある場合には、カード利用者に督促がなされます。カード会社の債権は5年で時効消滅してしまいますから、時効が完成する前に支払の催告をするのです。
「催告があったときは、その時から6か月を経過するまでの間は、時効は、完成しない」と規定されていますので、催告は時効完成猶予事由となります。要するに、時効が完成しそうなときに催告をすればそこから6か月は完成を遅らせることができるのです。しかしながら、さらに時効の完成を妨げるには、裁判上の請求等をするか、債務者に債務の承認をしてもらうことによって、時効更新をしなければなりません。
前置きが長くなりましたが、このような時効が完成してしまいそうな債権を債権回収会社に債権譲渡することがあります。例えば、10万円の債権を半額の5万円で譲渡するような場合です。譲渡人のカード会社にとっては全額の回収はできないけれども、裁判上の請求をして時効更新するよりも手間がかからないというメリットがあります。
譲受人の債権回収会社にも、債務者から時効援用されるリスクはありますが、倍額の債権を回収できるかもしれないというメリットが存在するのです。
債権譲渡をした場合に譲受人が債務者に請求するには、譲渡人が債務者に通知をし、または債務者が承諾しなければならないとされています。債務者にしてみれば、誰に弁済をしたらよいのかわかりませんし、二重払いのおそれも出てきます。債務者を保護するための規定です。
また、通知は譲渡人からしなければならず、譲受人からなされた通知は効力を生じません。ただし、譲受人が譲渡人の代理人として譲渡通知をすることは可能です。「債権譲渡通知書」には、譲渡人は、譲受人に対し、債権譲渡に係る通知の送付に関する一切の代理権を付与している旨の記載がなされていることが一般的です。
債権譲渡通知書の送付の目的は、債権譲渡の通知または承諾があるまで債権者として認めない旨の債務者からの反論を封じるためと捉えればよいでしょう。ところで、債権回収会社が債権回収業務を弁護士に委託することがあります。その場合には、弁護士が所属する法律事務所から債権回収会社代理人に就任したことを記載した受任通知書が送られてきます。
時効消滅している可能性があります
送られてきた書面には、連絡先電話番号と振込先口座情報が記載されています。電話をすることは避けた方がよいでしょう。電話をすることで債務を承認してしまい、時効を援用することができなくなるおそれがあります。フリーダイヤルを載せているのには、それなりのメリットがあるからなのです。
時効は援用しなければ完成しません
時効は時間の経過によって自動的に完成するものではありません。援用することによって初めて債権消滅(消滅時効の場合)という利益を享受することができる制度です。世の中には、借りたお金を時効でチャラにすることを潔しとしない方もいらっしゃいますので、援用するか否かを選択することができるようになっています。
先ずはご相談ください
時効消滅している債権を請求することは違法ではありません。ですが、法律事務所が送付する書面には、「連絡がとれない場合など、話し合いによる解決が困難であると弁護士が判断した場合には、やむを得ず法的手段を検討します。」のような記載をしています。
一般の方が、そのような書面を受け取られた場合には驚かれることが多いと思います。先ずは当事務所でも構いませんし、司法書士や弁護士にご相談されることをお勧めします。
生活保護に対する誤解を解く!
はじめに
債務整理と生活保護は密接な関係があります。本題に入る前に、債務整理の目的について考えてみましょう。
借金を減額または免除してもらうことが直接的な目的かもしれません。しかし、それを達成したとしても全く収入がない場合や支出が収入を上回る場合に、また借り入れをしなければ生活を維持できないとしたら、根本的に問題を解決したことにはならないのです。
つまり、生活再建の視点に立って、借り入れなしに生活を維持できるようにすることが本来の目的となります。そのためには、生活保護を利用しなければならないケースも当然ながら出てきますので、今回の記事は、生活保護に対して一般の方が誤解しているであろうことを取り上げていきます。
その誤解を解いたうえで、生活保護を利用することは国民の権利であり、決して恥じるべき行いではないことを強調したいと思います。
扶養義務者がいる場合
民法の規定により、直系血族(親子など)及び兄弟姉妹は互いに扶養をする義務があるとされています。そのために、生活保護受給申請の際に「親族に援助してもらってください。」などと言われ、いわゆる水際作戦と呼ばれる妨害行為が散見されるようです。
生活保護法の規定では、扶養義務者の扶養は生活保護に優先して行われるものであって、扶養義務者の存在が生活保護の利用を妨げることにはなりません。(生活保護法第4条第2項)ただし、申請受理後に福祉事務所が扶養義務者に対して照会(扶養照会)をすることがあります。
65歳以上でないと保護を受けられないのか
働くことができるのであれば、その能力(稼働能力といいます。)に応じて収入を得ることが求められます。それでもなお、最低限度の生活の維持ができずに生活に困窮するのであれば保護の対象になります。
では、若くて働くことができるのに無職の者が、生活保護を一切利用できないのかというとそうではありません。稼働能力があっても雇って貰えなければお金にはなりませんし、雇ってもらえたとしても給料日まではお金を手にすることはできないわけです。
したがって、稼働能力を有していてもそれを現実に活用する環境が整っていない場合には、生活保護の利用を妨げられるものではありません。
持ち家に住んでいる
持ち家が居住用不動産である場合には、原則としてそのまま住み続けながら生活保護の利用が可能です。
生活保護法第4条第1項には、「保護は、生活に困窮する者が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われる。」と規定されていますが、住むことも資産の活用となるからです。
ただし、売却した価値が大きい場合には売却を求められます。三鷹市に持ち家がある場合に、いくらで売れるものが売却を求められるかですが、目安として3,000万円となります。
これは時価ではなく、固定資産税評価額で判定します。インターネット上には、査定が必要だとして不動産の所在などの情報を入力させるページが見受けられますので注意しましょう。