Archive for the ‘投資’ Category

高齢者向けのプラチナNISAとは?

2025-05-19

金融庁が検討へ

2025年4月、日本経済新聞の記事によると、金融庁は高齢者向けの少額投資非課税制度(NISA)を創設する検討に入り、2026年度の税制改正要望に盛り込む方向だとのことです。運用益などを分配金として毎月払い出す「毎月分配型」の投資信託を高齢者に限定して対象に加える案が浮上しています。プラチナNISAと銘打ち、高齢者が運用資産を計画的に活用できるようにすることを目指します。

その後、自民党の資産運用立国議員連盟の会長である岸田前総理大臣は、高齢者に限定して対象となる金融商品を拡大できる制度(プラチナNISA)の導入などを石破総理大臣に提言しました。

つまり、プラチナNISAは未だ検討段階の制度であり、今後実施されることが予定されているに過ぎません。この記事では、プラチナNISAの概要、デメリット等を解説したうえで私自身の見解を述べたいと思います。

概要

対象年齢が65歳以上に限定されること、毎月分配型投資信託など分配金を受け取りやすい商品が投資対象に追加されることが主なものとなります。

現行NISAでは、毎月分配型投資信託を購入することができません。運用益を再投資し、長期積立を前提として資産形成をより効率的にすることを目的としているためです。一方で、年金だけでは生活できない高齢者は長期投資をする時間がないことから、分配金を毎月受け取って生活費に充てたいといったニーズがありました。

投資信託はゴミ商品

信託という言葉について考えてみたことはあるでしょうか。文字通り自分の財産を信じて託すものです。つまり、投資信託は運用益を得ることを目的として自分の財産を信用できる運用会社(ファンドマネージャー)に託すことを意味します。

もちろんタダではありませんから、信託報酬等のコストがかかります。運用会社等の金融機関側は運用益を出せずに託された財産が元本割れをおこしても報酬は受取ります。要するに投資家が得をしようが損をしようが、純資産総額に応じた一定割合の報酬を得ることができるわけです。

このことから、私は投資信託とは人の褌で相撲を取るものだと考えています。それでは、何故お前はオルカンに投資をしているのだと思われるでしょう。一番の理由は低コストであること、次に世界中の株式を個人が購入することはできないので投資信託に頼るしかないということです。

投資信託で一番に考えなければならないのはコストです。残念ながら毎月分配型投資信託のコストは、オルカン、S&P500等インデックスファンドと比べると著しく高い傾向にあります。

タコ足分配

毎月分配金が受け取れることは確かに魅力的かもしれません。ただ、うまい話には裏があることにも注意する必要があると思います。分配金を出す投資信託は、利益が出ていないときでも無理に分配金を出すことがあり、これを元本払戻金(特別分配金)といいます。

2025年4月時点、トランプ関税等によって株価は暴落し、多くの投資信託が元本割れしています。その上で元本を払い戻すわけですから、預貯金の取り崩しより事態は悪化することが容易に想定されるのです。

個別株の配当利回りを考えてみればわかるでしょう。大体3~4%程度のものが多いでしょうから、例えば1000万の株式を保有していたとして、年間の配当金は30~40万円となります。このことからも、毎月多額の分配金を受け取るには投資元本を多額にしなければなりません。

言うまでもなく、ボラティリティが激しいのが株式ですから高齢者が負うには余りにも大きなリスクだと考えます。

取り崩しながら運用する

上述したように、プラチナNISAのデメリットは高コストとタコ足分配です。金融機関側が儲かる制度であり、高齢者にはデメリットを上回るメリットはないと考えます。

株式投資は時間を味方につけてこそ効果を発揮するものです。その時間がないからといって毎月分配型投資信託を勧めるのは、あまりにも短絡的過ぎます。私のお勧めは、1年でも早く低コストのインデックス投資を始めて、仕事を辞める等のタイミングでそれを定期売却し、取り崩しながら運用することです。

株価暴落で新NISA民大損失!今後どうする!?

2025-05-07

現状報告

昨年7月からオルカンへの投資を始めたわけですが、相互関税等によって経済状況の悪化が懸念されていることによる米国株の下落、円高によって約20%の損失を抱えた状態です。世界同時株安、ドル円下落のダブルパンチを食らっています。

新NISAからインデックス投資を始めた方の多くが私と同じように含み益が全て吹っ飛んで含み損を抱えていることでしょう。含み損がだんだん増えていく状況は決して面白くはないですし、精神的にもつらいものがあります。

対して、旧NISAから始められた方は、まだ含み益を抱えていらっしゃるかもしれません。改めて長期投資の重要性を痛感させられます。

暴落煽り

SNS上にはまだまだ下がる、今すぐ逃げろなどの暴落煽りの投稿が散見されます。私がよく視聴しているYouTube上でも同様ですが、多くの投資系YouTuberは落ち着いた行動をとることを促す動画内容をアップしていることが多い気がします。

サムネは悲観的なものが非常に多いのですが、視聴回数を増やすためにやっていることなので、そういうものだと割り切ることも必要なのでしょう。

私は、投資系の動画を観ることが非常に少なくなりました。というのも、どれも同じ内容のものばかりだし、特に目新しいことはなくネタが尽きてしまっている感が否めないからです。

含み損益

含み益は幻だとよく言われます。正にその通りで、利確しない限り利益は実現しないのです。含み損も同様で、損切りしなければ損失が確定するわけではありません。

株価の騰落に一喜一憂することは無意味なことですし、私自身一喜一憂することがなくなりました。どんなに暴落しても信用取引のように追証を求められたり、強制決済されることがないわけですから、オルカン、S&P500インデックス投資のような現物取引はずっと握っていることができるわけです。

損切りについて

これ以上損失を増やさないために損切りした方がよいと考えられる方がいらっしゃるかもしれません。投資は自己責任で行うものですから、投資家の判断にケチをつけるつもりはありませんが、インデックス投資を始めた時のことをよく思い出して欲しいです。

過去を振り返れば、米国株は何度も暴落をしてその度にそれを乗り越えて最高値を更新してきたわけです。多くの人が50%程度の暴落を想定していたはずですし、2025年4月時点での下げ相場は想定の範囲内だと思います。

それに、インデックス投資は底で買って、天井で売るといったタイミングを計ることが不要なものです。チャートとにらめっこする時間のない一般人でも資産運用が再現性高く実現できるものという知識を身につけて投資を始めたのではないでしょうか。

ちなみに、私はオルカンを損切る予定はないですし、積立を継続するつもりです。

最後に

インデックス投資家はトレーダーではありません。ガチャガチャ売り買いしてキャピタルゲインを狙っているわけではないのです。結局のところ、頻繁に売買すれば手数料・税金等でコストが嵩みますし、じっと何もしないで保有し続けるインデックス投資に多くの場合勝てないことは『敗者のゲーム』を読めば明らかです。

名著を繰り返し読み、インデックス投資を腹落ちするまで自分のものにすれば、多くの個人投資家は私と同様の行動を取るはずでしょう。

オルカンで含み損を抱える!マジか!?

2025-03-10

調整下げ?

この記事は2025年2月下旬に書いているのですが、株価ジリ安、ドル円下げによって2024年8月以来の含み損を抱えています。この程度の下げはベテラン投資家にとっては何も感じないのでしょうけど、投資アレルギーのある初心者にはなかなか辛いものがあります。

ネット上では、不安を感じる声、暴落煽りをするものなどが散見されます。今回は、オルカン等のインデックス投資を継続するための心得等について書いてみたいと思います。

ストレス

よく投資で資産を増やすことについて、SNS上に不労所得であることを理由にそれを妬む書き込み等が見られます。ただ、今まで投資をしてこなかった私がある程度の含み損を抱えて感じることは、投資を継続することは結構なストレスを伴うものだということです。

その代償としてリターンを得られるのではないかと思うのです。ですから、決して不労所得と言い切れるものではなく、リターンはリスクを受け入れた対価として得られるものではないでしょうか。

夜眠れないほどリスクをとることは絶対に避けるべきですが、下げ相場にも退場することなく付き合っていかなければならないですし、リーマン級の暴落がくればそのストレスたるや想像もつきません。

低コスト金融商品

NISA口座は野村證券で開設しました。口座を開設するならSBI証券か楽天証券が良いことはネット環境にいる人なら簡単に入手できる情報です。オルカンが買えるので総合証券を使っていますが、NISA口座の開設、商品選択、積立設定まで全てネットで完結する必要がありました。

どういうことか。オルカン、S&P500等の投信の手数料があまりにも安いために、総合証券においても窓口対応はしていないのです。したがって、パソコン、スマホを持っていないネット環境に無縁な方は低コストの金融商品を買うことすらできないわけです。

意図的な情報遮断

パソコンかスマホを持っていないと低コストの金融商品に投資できないことは前述したとおりです。それ故に情報過多に陥ることとなって、YouTubeの暴落煽り等のサムネに釣られて動画を視聴してしまうといった弊害をもたらすことになると考えています。

また、証券口座にログインしないようにすることも大事だなと最近は感じています。要は、意図的に見ないようにし、情報をシャットアウトすることが長期ホールドに繋がるのではないかと思うわけです。

名著を拠り所にする

自身の投資方針に疑問を感じるようになったり、ホールドし続けることに不安を感じるときに拠り所にすべきなのは名著と呼ばれる書籍だと思います。決して投資系のインフルエンサーではありません。

そうは言っても、私も視聴するYouTubeチャンネルがあるわけでして、その中でも握力を高めるためにお勧めするYouTubeチャンネルがあります。『S&P500最強伝説』さんです。配信者は個別株のスイングトレードを経て、インデックス投資が最も合理的だと判断するに至った方です。

私のようなオルカンホルダーではありませんが、米国株に投資をされていらっしゃいますし、書籍によるロジックを根拠に解説されている動画が多数ありますので、一度視聴されることをお勧めします。

アラカンがSCHDを買わない理由

2025-02-25

人気急上昇

2024年9月、楽天証券からSCHDを投資対象とする投資信託(楽天・高配当株式・米国ファンド(四半期決算型))の販売が開始され、2025年2月現在、純資産総額は約1250億円に到達しています。50代以降の分配金を定期的に受け取りたい人に人気のある商品となっているようです。

また、それに追従する形で2024年12月、SBI証券から同様の投資信託(SBI・S・米国高配当株式・ファンド(年4回決算型))の販売も開始されています。

以前の記事「アラカンがオルカン投資を始める理由」で、オルカンの積立投資をしていることを書いたのですが、私がSCHDに投資をしない理由を今回の記事にしたいと思います。

SCHDとは

シュワブ・米国配当株式ETFのことを指し、ダウ・ジョーンズUSディビデンド100インデックスへの連動を目指す米国籍のETFです。ダウ・ジョーンズUSディビデンド100インデックスは米Dow Jones社が提供する米国株価指数で、米国の配当利回りの高い100銘柄で構成されています。

同様のETFにFTSEハイディビデンド・イールド・インデックスをベンチマークとするVYMがあります。SCHDに直接投資することはできませんが、それに連動する投資信託が国内で販売されたということです。したがって、リアルタイムで売買することはできないですし、本家ETFよりコストはかかります。

資産形成の効率が悪い

資産形成を第一に考えるなら、オルカンかS&P500等のインデックスファンドで良いのではないかと思います。どちらも分配金が再投資されますので、複利の効果を享受できます。

分配金を受け取ることで現在の生活の足しになることがあるかもしれませんが、単利の効果しかありませんので、資産を最大限膨らますことを目的とするなら、SCHDは投資対象にはならないのではないかと考えています。

NISA枠で買うメリットがない

NISAは購入した金融商品から得られる利益が非課税になる制度ですから、その恩恵を最大限享受するには、分配金が再投資される投資信託の購入が最適解ではないでしょうか。したがって、成長投資枠で個別株や分配金受取型のSCHD等のETF、投資信託等を購入するつもりは、今のところありません。

また、分配金には日本での課税はされませんが、米国の10%の外国課税がなされます。特定口座で購入すれば、所得にもよりますが外国税額控除を受けることができますので、NISA枠で買うメリットはないと思います。

リスク分散にならない

既にオルカン、S&P500を購入している人にとっては、SCHDの投資対象は米国株100%ですから分散効果はほとんどないと言えます。ただし、これから投資を始める方にとっては該当しませんので、投資対象の選択肢の一つとなるでしょう。

オルカン、S&P500があまりにも売れすぎているので、今後も新たな金融商品が出てくると思いますが、目移りせずに一度決めた投資方針を貫くことも重要だと感じています。

定率取り崩しか不労所得か

オルカン、S&P500は売却しない限り手元にキャッシュは残りません。対して、SCHDは分配金という不労所得(インカムゲイン)が元本を取り崩さずに貰えます。ただし、元本を払い戻す特別分配金が支払われることがあります。

オルカン等の定率取り崩しを設定するのは結構面倒だと思います。NISA口座でそれができるのは、この記事を執筆している時点で楽天証券だけです。結局のところ、定率取り崩しかインカムゲインをその都度得るかの違いに過ぎないのです。

投資後の変化・インフレは投資を促進させるのか?

2025-01-27

投資を始めて変わったこと

以前の記事「アラカンがオルカン投資を始める理由」で、オルカンへの投資を始めたことを書きました。私の場合、少額積立投資をしているのですが、明らかに投資後に変わったことがあります。それは、日々の株価や為替を気にかけるようになったのです。

具体的には、朝のニュース時の日経平均、TOPIX、ナスダック、金先物価格、ドル円等です。投資をしていない頃には全く興味がなかったのですが、それ以外に内外の経済動向にも関心を持つようになりました。

インデックス投資においては、日々の値動きに一喜一憂してはいけないと言われますし、それ自体が無意味だということも分かっているのですが、合理的な行動を取ることは難しいものだと感じます。

円高で仕込んで取り崩し時には円安になっているというのが理想なので、2025年1月時点のドル円は158円前後ですし、円高になって欲しいとの願いから株価よりも為替の方が気になるところです。

円の実質金利

実質金利とは、名目金利からインフレ率を引いた金利のことを指します。日銀は2024年7月、政策金利を0.25%に引き上げることを決めましたが、賃金上昇が物価上昇に追いついていないこと等を理由に同年内の追加利上げを見送りました。

一方、直近のインフレ率は2~3%で推移しており、長期間のデフレを脱却したとも言われています。以上のことから、円の実質金利はマイナス2%前後となっているようです。これは円を預けていても利息よりも物価上昇のスピードが上回るので、実質的には円の価値が目減りすることを意味します。

ちなみに、米国の実質金利はプラス2%台ですので、円が売られドルが買われることにより円安の一要因となるのです。

コストプッシュインフレ

現在の日本はインフレだと言われていますが、それはコストプッシュインフレであり、企業の生産コストの上昇が原因で物価が上昇するインフレを意味します。

日本は、生活に欠かせないエネルギー、食料等を輸入に頼っています。円安により原材料調達にコストがかかりますので、企業は価格に転嫁せざるを得ません。ただ、エネルギー、食料等の生産者は海外にいますので、価格上昇分の利益は海外に入ることになるのです。私たちの生活を苦しめる物価が上昇しても賃金が上昇しない状態を作出している原因だと説明されます。

インフレだから投資するは正しい選択なのか

過去の記事でも述べましたが、円の価値が目減りしているのですから円預金をするということは、穴の開いたバケツに水を貯めていく行為とも言えます。現役世代であれば労働所得により減るよりも増える量を多くすることもできるかもしれませんが、年金収入しかなくなる老後にそれをすることは叶わないでしょう。

だからといって短絡的に投資をすべきだと言えるのでしょうか。そのようなことを煽るSNSの発信が多く見受けられます。過去の実績はあくまでも過去のものであり、未来を保証するものではありません。投資は必ず元本割れのリスクを伴いますので、安易にそれをあてにすることは避けるべきでしょう。

かといって目減りする預金額をただ指をくわえて見ているだけよりも、何らかの対応策を講じる必要があるのではないでしょうか。

長期投資に必要なこととは?狼狽売りしていませんか?

2024-08-19

日経平均大暴落

2024年8月5日の東京株式市場は、米国の景気減速への懸念や円高の進行を受けて全面安の展開となり、日経平均株価の下落幅は4451.28円となり、かつてない急落となりました。世界的に株価が暴落した1987年のブラックマンデーの翌日につけた3836円を超えて過去最大の下落幅を記録しました。

下落率で見ると、今回は-12.40%、1987年は-14.90%となっていますので、過去2番目の下落率を記録したことになります。過去最大の下落といって不安を煽る記事ばかりが散見されましたが、下落率では過去2番目となるのですからそんなに大騒ぎする必要はありません。

また、翌日には過去最大の上昇幅を記録しています。上昇率は10.23%で、過去4番目の記録となりました。このように、2日間で下落・上昇幅の最高記録を更新することになったわけで、日々の株価に注視していると一喜一憂することになります。

鈴木金融担当大臣の発言

今回の株価の急落について、鈴木大臣は、NISAで新たに投資を始めた人などに対し、「株価下落などの市場変動が進む中にあっても、長期、積立、分散投資の重要性を考慮し、冷静に判断していただきたい」と述べました。

それの意味するところは、オルカン、S&P500などのインデックス投資をしているのなら、利確・損切りをするのではなく、長期的な視点に立って判断してくださいということなのだと思います。

投資以外に没頭できるものを見つける

日々の株価、為替に注視したり、証券口座に毎日ログインし、資産評価額を確認して一喜一憂することは長期投資をする妨げとなります。気になって仕方ないという方は、リスクを取り過ぎている可能性があります。リスク・非リスク資産の配分を見直す必要があるでしょう。

定年退職後に何もしないことは上記のようになりがちだと思いますので、仕事、ボランティア、趣味等の投資以外に没頭できるものを見つけることが解決策となるでしょう。

一括か積立か

まとまった資金がある場合に、それを一括または積立投資をするのか迷うことがあります。その場合の考えた方を私なりにまとめてみます。

先ず、どちらか迷っているのならば積立投資にした方が良いでしょう。迷うということは、今は高値だから一括投資は損だと感じる不安の表れに他なりません。どちらがより多くのリターンを得られるかは相場次第となりますが、過去のデータでは一括の方が勝率は高いようです。そのような理論よりも重視すべきなのは自身のメンタルです。

また、今回のような暴落時に買い増しをするタイミング投資も避けた方がいいと考えます。今が底値かどうかはわかりませんし、為替のこともあります。株価も為替も正確に予想することは専門家でさえすることはできないですし、長期運用を前提とするインデックス投資においては予想すること自体が無意味です。

リスク許容度は低めに見積もる

リスクを許容するからリターンを得られるのだと言われます。リスクを一切負いたくないのであればタンス預金するしかないですが、極端すぎますね。いずれにしても、自身の性格等も十分に考慮してリスク許容度は低めに見積もっておくとメンタルが安定すると思います。

リバランス以外何もしない

オルカン、S&P500等の投資信託、高配当株投資においては一度買ったらリバランス目的以外に売却しないことが最も重要なことではないでしょうか。

狼狽売り、買い増し等のタイミング投資をするものは機関投資家等の投資のプロと呼ばれる者達の養分となります。一般人が投資をするなら、「ほったらかし」が最強であることを肝に銘じましょう。

オルカン、S&P500への投資が否定されています!

2024-07-29

投資のプロほど否定する

投資初心者はオルカンかS&P500に投資しておけば大丈夫というような風潮が見られます。このような風潮を危惧し、初心者の投資方針を否定したうえで警鐘を鳴らす記事が散見されます。多くの場合、執筆者は短期間で億単位の資産形成に成功した投資の上級者やプロと呼ばれる人です。

ただ、実際のところ個人投資家のほとんどが国外株式に投資しているわけではないようです。20代から40代の世代は国外株式への投資が多いようですが、50代以降の世代は国内株式に投資している割合が高いことが見て取れます(金融庁NISA口座の利用状況調査(令和6年3月末時点))。

いずれにしても、投資上級者、プロ達がオルカン、S&P500等の広く分散されたインデックス投資を否定する根拠に対して、反論したいと思います。

投資のスキルが身につかない

インデックス投資はほったらかし投資とも言われますので、投資の勉強をしないことは投資家のデメリットとなって投資のスキルが身につかないとの主張です。

そもそも、投資未経験者が投資をする理由は、インフレ対策や老後資金の確保を目的としている方が多いのではないでしょうか。投資家として成長しようなどとは考えていないですし、投資に時間を割いて市場平均以上のリターンを得られたとしても非常に効率は悪いです。

そんなことより、自己投資をして本業を頑張ったり、今の生活を充実したものにするほうが有意義だと思います。下手に投資スキルを身につけ、欲張ってよりハイリターンを求めて、個別株、FX、仮想通貨等に手を出すことのほうが怖いのではないでしょうか。

インデックスのスピード以上に資産が増えない

インデックス投資は市場平均のリターンしか得られないローリスクローリターンの投資方法であるとの主張です。

確かにオルカン、S&P500投資は個別株投資に比べればローリスクだとは思います。ただし、投資信託という枠の中では投資対象を株式100%とする金融商品となりますので、インデックスファンドの中でもハイリスクハイリターンなものではないかと考えています。

もし、市場平均以上のリターンを短中期で得たいのならば、アクティブファンド、個別株投資を自己責任でやればいいのではないでしょうか。

インデックス投資は長期運用することで効果を発揮するもので、短中期にリターンを得られるものではないということは、投資初心者として肝に銘じておく必要があるでしょう。

長期間の退屈さに人は耐えられない

長期間にわたる投資は多くの人にとって苦行であり、長続きしない。特に下げ相場で含み損を抱えながら黙々と積立を継続する退屈さに耐えることはできないとの主張です。

率直に仰る通りだと思いますし、それだけ投資で成功するのは難しいことなのでしょう。投資を趣味でするのなら、個別株でも何でもやればいいとは思いますが、やはりインデックス投資が一番合理的で再現性が高い手法ではないかと考えています。

よく言われていることですが、私のような投資アレルギーのある者は金融リテラシーを身につける努力を怠らないことが何よりも重要なのではないでしょうか。

アラカンがオルカン投資を始める理由

2024-07-22

貯蓄する世代

私は投資をしたことがありません。元本が保証されないのですから、投資=(イコール)ギャンブルと決めつけていたのかもしれません。そのようなことから、せっせと貯蓄をしていたわけです。私と同世代の中には同じような方がいらっしゃるのではないでしょうか。

2024年3月、マイナス金利政策の解除によって、メガバンク3行は普通預金の金利を0.001%から0.02%へ引き上げました。その後、ゆうちょ銀行も足並みを揃える形で同率への引き上げをしています。

ゆうちょ銀行の金利がメガバンクより高かった時代は遥か昔のことで、今やどこに預けても金利の差がないことがわかります。ネット銀行の金利がやや高いとも言えますが、大差ないと言っていいでしょう。

インフレによる預貯金の目減り

我が国は借金まみれですが、国民の資産は約2,000兆円で、そのうち預貯金が約1,000兆円あると言われています。インフレによって預貯金が目減りすることを耳にする機会が増えていると感じます。老後2,000万円問題が話題になったことがありますが、今では4,000万円問題と言われているようです。

新NISA制度は、国が国民に対して資産運用を促し、老後資金は各自で準備をして下さいとのメッセージではないかと推測されることもありますが、強ち間違っているとも思えません。

ポジショントークに注意

以前の記事「50代以降のオルカン・S&P500に投資は有りなのか!?」において、SNSで投資(NISA)をする人の発信が増えていることに言及しました。

あなたが貯蓄から投資へとシフトするには、自発的に情報を仕入れて投資に関する知識を習得することがマストであると考えます。銀行、証券会社等で勧められたから、人気のYouTuberが投資していたからといって何となく始めることは、投資が失敗するリスクが高まります。

何故なら、投資商品を勧める場合、ポジショントークによるものが圧倒的に多いからです。YouTubeの動画を視聴する場合には、できるだけたくさんの配信者の動画を視聴することをお勧めします。

名著を読む

動画配信者の多くは、名著を読めと主張することが多いです。例えば、「敗者のゲーム」、「インデックス投資は勝者のゲーム」、「ウォール街のランダム・ウォーカー」等です。これらの本に記載されている図表やデータなどを引用することも多いです。

本については、どれか1冊を繰り返し読むことが良いと思います。対して、YouTubeはたくさんの配信者の動画を視聴することで特定の人を妄信することを避けられます。

名著を繰り返し読むことにより、投資で失敗しない可能性が一番高いのは、インデックス投資であることがよくわかるでしょう。

オルカン、S&P500のどちらにするか

どちらにするかは非常に迷いました。最終的にオルカンにしたのですが、名著で触れられているインデックス投資に近いのはオルカンの方ではないかというのが主な理由です。

ただ、迷う最大の要因はオルカン、S&P500のリスク(標準偏差)はほぼ同じであるにもかかわらず、リターンはS&P500の方が高いことです。したがって、シャープレシオも高い値となります。また、アラカンが投資を始めた場合、投資期間は長くても20年位であり、米国一強の情勢は変わらないであろうともよく言われています。

確かにそうなのですが、もし私が運用中に亡くなったときには子供が相続することになります。NISA口座の名義人が亡くなった場合、相続人は特定口座で承継することが可能です。つまり、子供への相続を視野に入れますと、オルカンの方が長期で持ち続けることができると考えたわけです。

人によっては、S&P500、オルカンとS&P500の両方という方もいらっしゃいます。長期運用ができると思うものに決めることが一番重要ではないでしょうか。実際、ほとんどの方が長期保有できずに僅か数年で売却しているのです。

株式投資の本質とは?インカムゲインorキャピタルゲイン?

2024-07-08

株式の歴史

世界初の株式会社は17世紀のオランダで誕生しました。その後、18世紀にイギリスで株式会社に係る法整備がされ、イギリスが金融市場の中心地となりました。そして、第一次世界大戦の終結によって、19世紀からはアメリカが世界経済のリーダーとなるのです。

日本では、19世紀に初めての株式会社が設立され、東京・大阪に証券取引所が開設されています。ただ、日本における株式市場が活発化したのは20世紀の戦後以降となります。そこからバブル期までに時価総額世界第二位になるまでの急成長を遂げることとなるのです。

債券との違い

株式との比較対象として債券があります。債券とは、国や地方公共団体、企業などが投資家からお金を借り入れるために発行する有価証券のことです。国が発行するものが国債、企業が発行するものが社債となります。要するに借金なのですから、元金は返さなくてはなりませんし、利息も支払わなければなりません。

対して、株式は出資ですから会社側は社債と違って出資額を返す必要はありません。会社にしかメリットがないように感じられるかもしれませんが、株主は会社が利益を上げて配当してくれることを望んで出資します。出資する側は、ちゃんと利益を上げることのできる会社かどうか見極めることが通常です。

インカムゲイン

株式投資というと、売り買いを繰り返して利益獲得を目指すキャピタルゲインを主目的とするイメージを持たれる方が多いと思います。上述したように、近年の資本主義経済発展に多く寄与してきたのが株式制度ともいえます。

その上で私の株式制度に対する印象を述べますと、本質的な役割はインカムゲインを求める投資家と資金融通を求める会社との間でギブアンドテイクの関係を築くことではないかということです。

証券会社の思惑

株式投資をするには、証券会社で口座開設をしなければなりません。言うまでもなく、証券会社は手数料商売なのですから、キャピタルゲイン目当てに短中期に売買を繰り返す顧客は上客となります。

一方で、インカムゲイン目的の株式は購入後に長期間放置されますので、証券会社は利益が上がりません。裏を返せば顧客側にとっては口座管理コストが一切生じないこととなるのです。

ところで、最近の個人投資家は総合証券ではなく、ネット証券に口座開設をするようになっています。手数料の安さ、クレカ決済によるポイント獲得等の多くの恩恵を受けられるからです。口座数ランキングの1位と2位はSBI証券と楽天証券で、3位野村證券となっています。

インカム目当てのメリット

不労所得を得ることができるのが最大のメリットではないかと思います。病気や怪我で働くことができなくなったり、年金生活によって収入が減った場合の保険のような役割が期待できます。また、上述したように管理コストがかからないことも挙げることができます。

賃料収入を得ることができる不動産投資と比べて株式投資の利回りは劣ることが一般的ですが、不動産投資は投資というより不動産賃貸業という事業を立ち上げるようなものですので、単純に比較することはできないと考えます。

投資に時間をかける必要がなく、株価変動を気にする必要がないこともメリットとなります。個人投資家は本業で忙しいのが通常ですから、投資に時間を割くことは大きな負担となります。

毎年、必ず配当があるわけではありませんが、東証がPBR1倍割れ企業に対して改善を促すメスを入れたことで、増配を打ち出す企業が多くなるのではないかと期待されています。

デメリット

短期に利益を得ることができず、株価が下がれば含み損を抱えることになります。また、個別株への投資は必然的にハイリスクなものとなりますし、リスク許容度の範囲内、かつ資産配分を十分に検討したうえで投資するか否かの判断が求められます。

ただ、このことはキャピタル目的であっても同様ですから、インカム目的特有のものではありません。

50代以降のオルカン・S&P500に投資は有りなのか!?

2024-07-01

SNSで話題に

2024年1月から新NISA制度がスタートし、つみたてと一般(成長投資枠)の併用が可能となり、年間投資枠及び非課税保有限度額の増額並びに非課税保有期間が無期限化されるといった変更がされました。

最近SNSで、旧NISAからオルカン・S&P500のインデックスファンドに積立投資をしている人の含み益がすごいことになっている、今すぐNISAを始めたほうが良いなどの情報発信が目に付きます。そこで、アラカン(50代後半)、投資初心者である私がNISAを始めるべきなのかについて思うままに書いてみました。

eMAXIS Slimシリーズ

オルカン・S&P500の中でも注目されているのが、三菱UFJアセットマネジメント株式会社が運用しているeMAXIS Slimシリーズです。同シリーズが人気の理由として、信託報酬等のコストの低さを挙げることができます。

2024年6月現在、日々の純資産額に対して年率0.05775%以内をかけた額となっています。また、受益者還元型信託報酬という仕組みを採用しており、このファンドの純資産総額が増えれば増えるほど、運用にかかるコストが安くなります。委託会社間での価格競争によって、今後まだ下がる可能性があります。

円安、S&P500最高値更新

上記2つの人気ファンドは為替ヘッジなしで運用されていますので、円安による恩恵を多く受けることができます。また、2024年6月現在、S&P500は最高値更新を継続しています。オルカンの米国株への投資割合は約60%ですので、S&P500の影響を大きく受けることになります。

よく言われていることですが、以上の2つが含み益を増やした要因だと思います。ですから、今後円高に転じたり、リーマンショックのようなことが起こると元本割れすることもあり得るでしょう。

余剰資金

よく、投資は余剰資金でやれと言われますが、全くその通りだと思います。間違っても年金を全て投資にまわすようなことは避けるべきでしょう。50代以降がつみたてNISAにより投資信託を始めるに当たって、重視しなければならないのは多くのリターンを求めないことです。

40代までであれば投資に失敗しても取り返すことはできますが、アラカン以降の年代は老後資金を枯渇させることに繋がってしまいます。余剰資金の有無については、口座に眠っている預貯金があるかどうかが判断材料となるでしょう。

低金利により、例え定期預金に入れても貰える利息はごく僅かです。したがって、投資(NISA)を始めるなら、そのような預貯金を資金にすることが良いのではないかと思います。

長期運用、積立投資

インデックスファンドへの投資で失敗しないためには、最低でも15年以上の長期運用が不可欠となります。一時的な暴落により損切りするようなことは絶対に避けなければなりません。

積立については損失リスクを抑えられると説明されることが多いですが、長期運用を前提とするならば一括投資をしても両者に大差はないと考えます。暴落時に成長投資枠で一括投資することも選択肢のひとつとなるでしょう。

チャートが気にならない金額で

最後に投資額を決めるに当たって、考慮すべきことを書いてみます。これは自分への言い聞かせでもあるのですが・・。

長期運用が必要なのですから、積立額はチャートが気にならない金額にすることをお勧めします。チャートが気になって眠れないようなら積立額を下げる必要があります。理想なのは、積立額を決めたら15年間ほったらかしにするということです。

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