検索用情報に「国籍等」が追加されます

令和8年10月5日施行・不動産登記規則改正の要点

令和8年10月5日、不動産登記規則の一部改正により、検索用情報に新たに「国籍等」が追加されます。令和8年9月4日付の法務省民事局長通達および質疑事項集により、具体的な運用が示されています。

国籍等追加の目的

今回の改正は、次の二つの観点から国籍情報を把握する必要性があるとされています。

国土の適切な利用・管理

外国人による不動産保有の実態把握のため、国籍情報は基礎的なデータとなります。

相続登記の準拠法判断

所有権登記名義人が死亡した場合、相続に適用される準拠法は法の適用に関する通則法第36条によりその者の国籍で決まります。国籍が不明であると、相続登記の相談・申請時に準拠法の確認に時間を要し、手続の円滑な実施に支障が生じます。

検索用情報の構成

令和7年4月21日施行の改正で、検索用情報は次の5項目が定められました。

1.氏名
2.氏名の振り仮名(外国籍の場合はローマ字表音)
3.住所
4.生年月日
5.メールアドレス

今回の改正で、これらに 6.国籍等 が追加されます。

国籍等の申出と添付情報

日本国籍を申出る場合

質疑事項集問15により、住民票の写しに本籍欄が表示されていれば、内容が「省略」であっても日本国籍と判断して差し支えないとされています。また、問17では、法定相続情報一覧図の写しを国籍等の証明として提供しても差し支えないとされています。

住民票コードが提供され、住基ネット情報から日本国籍を把握できる場合は、別途資料の提出は不要です(問16)。

外国籍を申出る場合

通達では、次の資料が例示されています。

  • 国籍欄のある住民票
  • 旅券(有効期限内)
  • 在留カード
  • 特別永住者証明書
  • 外国人登録原票記載事項証明書

旅券等の写しを提出する場合は、申出人が「原本と相違ない」旨を証明すれば足り、原本還付手続は不要です。ただし、有効期限切れの旅券は利用できません。

検索用情報の取扱い(重要)

登記事項証明書や登記情報提供サービスで国籍が表示されることはありません。検索用情報として記録された国籍等は、登記所内部で保有される情報であり、不動産登記法に基づく公開対象ではありません。

これらの情報は、不動産ベース・レジストリを通じた行政機関間の情報連携に活用される見込みとされています。

実務上のポイント

日本国籍者

  • 本籍欄が表示された住民票で足りる
  • 法定相続情報一覧図の写しでも足りる
  • 住民票コードで確認できれば添付不要

→ 追加負担はほぼなし

外国籍者

  • 国籍確認資料の収集が必要
  • 旅券等の写しには原本証明が必要
  • 有効期限切れ旅券は不可

→ 案件初期段階での案内が重要

まとめ

国籍等の追加は、国土管理と相続登記の準拠法判断の双方に資する制度改正です。日本国籍者の実務負担は小さい一方、外国籍者の場合は資料確認が重要となります。通達および質疑事項集の内容を踏まえ、適切な案内と書類確認を行うことが求められます。

 

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