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株式の歴史
世界初の株式会社は17世紀のオランダで誕生しました。その後、18世紀にイギリスで株式会社に係る法整備がされ、イギリスが金融市場の中心地となりました。そして、第一次世界大戦の終結によって、19世紀からはアメリカが世界経済のリーダーとなるのです。
日本では、19世紀に初めての株式会社が設立され、東京・大阪に証券取引所が開設されています。ただ、日本における株式市場が活発化したのは20世紀の戦後以降となります。そこからバブル期までに時価総額世界第二位になるまでの急成長を遂げることとなるのです。
債券との違い
株式との比較対象として債券があります。債券とは、国や地方公共団体、企業などが投資家からお金を借り入れるために発行する有価証券のことです。国が発行するものが国債、企業が発行するものが社債となります。要するに借金なのですから、元金は返さなくてはなりませんし、利息も支払わなければなりません。
対して、株式は出資ですから会社側は社債と違って出資額を返す必要はありません。会社にしかメリットがないように感じられるかもしれませんが、株主は会社が利益を上げて配当してくれることを望んで出資します。出資する側は、ちゃんと利益を上げることのできる会社かどうか見極めることが通常です。
インカムゲイン
株式投資というと、売り買いを繰り返して利益獲得を目指すキャピタルゲインを主目的とするイメージを持たれる方が多いと思います。上述したように、近年の資本主義経済発展に多く寄与してきたのが株式制度ともいえます。
その上で私の株式制度に対する印象を述べますと、本質的な役割はインカムゲインを求める投資家と資金融通を求める会社との間でギブアンドテイクの関係を築くことではないかということです。
証券会社の思惑
株式投資をするには、証券会社で口座開設をしなければなりません。言うまでもなく、証券会社は手数料商売なのですから、キャピタルゲイン目当てに短中期に売買を繰り返す顧客は上客となります。
一方で、インカムゲイン目的の株式は購入後に長期間放置されますので、証券会社は利益が上がりません。裏を返せば顧客側にとっては口座管理コストが一切生じないこととなるのです。
ところで、最近の個人投資家は総合証券ではなく、ネット証券に口座開設をするようになっています。手数料の安さ、クレカ決済によるポイント獲得等の多くの恩恵を受けられるからです。口座数ランキングの1位と2位はSBI証券と楽天証券で、3位野村證券となっています。
インカム目当てのメリット
不労所得を得ることができるのが最大のメリットではないかと思います。病気や怪我で働くことができなくなったり、年金生活によって収入が減った場合の保険のような役割が期待できます。また、上述したように管理コストがかからないことも挙げることができます。
賃料収入を得ることができる不動産投資と比べて株式投資の利回りは劣ることが一般的ですが、不動産投資は投資というより不動産賃貸業という事業を立ち上げるようなものですので、単純に比較することはできないと考えます。
投資に時間をかける必要がなく、株価変動を気にする必要がないこともメリットとなります。個人投資家は本業で忙しいのが通常ですから、投資に時間を割くことは大きな負担となります。
毎年、必ず配当があるわけではありませんが、東証がPBR1倍割れ企業に対して改善を促すメスを入れたことで、増配を打ち出す企業が多くなるのではないかと期待されています。
デメリット
短期に利益を得ることができず、株価が下がれば含み損を抱えることになります。また、個別株への投資は必然的にハイリスクなものとなりますし、リスク許容度の範囲内、かつ資産配分を十分に検討したうえで投資するか否かの判断が求められます。
ただ、このことはキャピタル目的であっても同様ですから、インカム目的特有のものではありません。