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相続人調査の方法
遺産整理業務(遺産承継業務)をするにあたり、戸籍を収集して相続人を調査する必要があります。
全ての相続手続において、戸籍の収集は最初に必ずしなければならないのですが、どのくらいの時間や費用がかかるのかは、始めてみないとわかりません。戸籍謄本は本籍地でしか取れないことや郵送で取り寄せることが原因です。
相続人調査が必要な理由
ご相談にいらっしゃる方に相続人をお伺いすると、ほとんどの場合明確なお答えをいただきます。
実際にその通りであることが非常に多いのですが、ごく稀にそれ以外の相続人の存在が判明することがあります。特に登記の手続においては故人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本の収集などが必須となり、取得を代行する司法書士にとっては非常に神経を使うところです。
ご自身で戸籍謄本を取得される方もいらっしゃるのですが、取得を漏らしたものの請求をしなければならないこともあります。
相続人調査における注意点
相続人を調査するにあたり、注意すべき点がいくつかあります。戸籍の記載からは判明しないことが相続人に生じることがあるからです。
相続放棄
相続放棄をしても戸籍には記載がされません。相続人が相続放棄をしているか否かは家庭裁判所に照会することによって調べることができます。
相続欠格
子供が親を殺害したり、強迫して遺言書を作成させたなど相続人として相応しくない者は相続欠格となり、法律上当然に相続する資格を失います。そのような場合の相続手続においては、欠格事由があることを証する相続欠格者が作成した書面と印鑑証明書が必要となる場合があります。
似たような制度として相続人廃除がありますが、こちらは戸籍に記載されます。遺言による廃除の場合には、遺言執行者が廃除を家庭裁判所に請求をし、審判確定後に戸籍に記載がされます。
相続分の譲渡
相続分の譲渡とは、自己の相続分を他の相続人や第三者に譲り渡すことです。有償、無償を問わず可能です。相続放棄と異なり相続分を譲渡しても相続人の地位を失うわけではありませんので、故人の負債を免れることはできません。相続人ではない第三者が相続分を譲り受けた場合には、その者が遺産分割協議に参加することになります。
戸籍の収集にかかる費用
報酬については、遺産整理業務(遺産承継業務)の中に含まれていますので別途発生することはありません。それとは別に戸籍謄本交付手数料と郵送費の実費が必要となります。転籍が多い、相続人が兄弟姉妹である、相続が複数回発生しているなどの場合には、1万円を超えることもありますが、ご主人様が逝去され相続人が奥様と子供2人のケースでは、4,000円~5,000円位です。
戸籍謄本の取得を司法書士が代行するメリット
収集のスピードが違う
余程の近場でない限り郵送で請求します。ですから、1回の請求で取れるものを全て請求することが鉄則となります。単純に戸籍の記載を追いかけて請求するのでは、追加請求をしなければならないことが多々あります。戸籍を読み取る力と無駄のない収集のノウハウを持ち合わせています。
イレギュラーのケースに対応できる
戦災などにより戸籍が消失していた、戸籍の訂正が必要、故人が帰化する前の除籍が必要など、イレギュラーなケースでも対応が可能です。