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奨学金・教育ローンの特徴
金利が低い
一般的なカードローンなどと比較しますと金利が低いことが特徴として挙げられます。
奨学金は在学中の利息が発生しないうえに卒業後の利息も超低金利によることになっています。
教育ローンには国と民間のものがありますが、奨学金と比較すると金利は高くなっています。それでも、国の教育ローンが2%以下、民間のものでおおよそ3~5%となっていますので、低金利であることに間違いはないでしょう。
保証人がついている
奨学金と国の教育ローンについては、ほとんどの場合保証人がついています。
対して、民間の教育ローンでは無担保のものが多くあります。保証人が要らない代わりに金利が高いということなのでしょう。
債務整理を検討する前に
独立行政法人日本学生支援機構では、毎月の返還額の減額や支払いを猶予する制度を設けています。債務整理をせずともこれらの利用で借金問題が解決するのであれば、利用を検討してみてはいかがでしょうか。
他のページでも述べていますが、返還が滞るのであれば放置せずに早期に債権者(日本学生支援機構)に対して事情を説明することが重要です。
奨学金の場合、延滞3ヶ月以上の場合に個人信用情報機関に個人情報(事故情報)が登録され、クレジットカードが発行されなかったり、利用が止められたりすることがあります。
また、自動車ローン及び住宅ローン等の各種ローンが組めなくなる場合があります。一度登録された情報は、延滞中はもちろんのこと、延滞を解消しても一般のクレジットカードと同様に約束どおり返済している人の情報として登録され続け、返還完了の5年後に削除されます。
カードローンなどで借金をした場合には、延滞の有無にかかわらず信用情報機関に貸与額(借金額)などの個人情報が登録されます。
したがって、新規のクレジットカード作成時においては、登録されている貸与額が審査対象となります。日本学生支援機構では、延滞した場合のみ事故情報として信用情報に登録される運用のため、滞りなく返還している限りクレジットカードやローンの利用時に影響が生じることがないのです。
減額返還制度
災害、傷病、その他経済的理由により奨学金の返還が困難な方の中で、当初約束した割賦金(毎月の返還額)を減額すれば返還可能である方を対象としています。
一定期間、当初約束した返還月額を減額して、減額返還適用期間に応じた分の返還期間を延長します。月々の返還額を2分の1または3分の1に減額して支払うことができますが、1年毎に申請する必要があります。
6ヶ月分または4ヶ月分の返還額を12ヵ月(減額返還適用期間)で返還していくことになりますが、返還すべき元金や利息が減額されるわけではありません。
返還期限猶予
災害、傷病、経済困難、失業などの返還困難な事情が生じた場合は、返還期限の猶予を願い出ることができます。
審査により承認された期間については返還の必要がありません。適用期間後に返還が再開され、それに応じて返還終了年月も延期されます。
返還期限猶予は、一定期間返還期限を延期する制度であり、返還すべき元金や利子が免除されるものではありません。
任意整理をするメリットはない
奨学金・教育ローンについては、将来発生する利息をカットする手続きである任意整理をするメリットはほとんどありません。前述したように金利が低いために借金の減額の効果が小さいものとなるためです。
他に高金利での借り入れがあり、その債務整理をすることで借金問題が解決する場合においては、奨学金・教育ローン以外のものを対象として任意整理することは十分に考えられます。
保証人の負担が懸念される
個人再生の手続きを選択すると、利息カットだけではなく元本も減額できます。
将来において継続的に又は反復して収入を得る見込みのあることが要件となります。400万円の奨学金・教育ローンがある場合には最低弁済額として100万円まで減額することが可能です。
ただ、個人再生(自己破産も同様です。)を申立てると、債権者から保証人に対して、残債の一括請求がされることになる場合がほとんどです。一括請求の負担が重荷になるということであれば、保証人が毎月の返還額を従前通り支払い続けることによって、一括請求されないよう対応することも可能となる場合があります。
個人再生や自己破産では、奨学金・教育ローンだけ対象から外すということはできませんので、親などの親族が保証人になっているときには、親族に内緒で債務整理をすることはできません。
保証人が前述した毎月の返還額も支払うことができない場合には、保証人を含めて債務整理を検討しなければならないでしょう。