依頼別-請求できる過払金があるか知りたい

過払金を請求できる借入れ時の利率

利息制限法を超えた利率により貸金業者から借入れをしたことがある方が対象となります。

利息制限法による制限利率

  • 10万円未満 年20%
  • 10万円以上100万円未満 年18%
  • 100万円以上 年15%

2010年6月18日、改正貸金業法が完全施行される前には、制限利率を超えたもの(グレーゾーン金利)による貸し付けがなされていましたので、少なくとも同日以前に貸金業者から借入れをしたことがある方は請求できる過払金がある可能性が生じます。

ただし、2007年12月20日から改正法が順次施行されたことから、同年に多くの消費者金融やカード会社が違法な金利を適法なものに改めて貸し付けを開始しましたので、あくまでも目安となるにすぎないことにご注意いただきたいと思います。

取引履歴開示請求

どれだけの額の過払金があるのかを正確に知るためには、取引履歴を債権者(貸金業者)に開示してもらわなければなりません。取引履歴とは、いつどれだけ借り入れたか、どれだけ返済したかが記されている書類のことです。

書面の内容は貸金業者によって多少の違いがありますが、日付、借入額、返済額、利息などが分かるようになっています。開示請求はご自身ですることも、司法書士、弁護士に依頼することもできます。

貸金業者は、貸金業法により取引履歴を開示しなければならない義務を負うことになっています。請求から開示までの期間として2週間から3ヶ月程度を要することも頭に入れておきましょう。

引き直し計算

引き直し計算とは、取引履歴を基に利息制限法の制限利率に合わせて計算し直して、過払金の金額を具体的に算出することをいいます。

制限利率で支払ったと仮定した場合の計算書と実際に貸金業者に支払った金額を比較することになります。ご自身で計算することもできますが、その際の注意点をご説明します。

簡易シミュレーター

ネット上には、借入金額と借入期間を入力するだけで過払金の計算ができる簡易シミュレーターが存在します。

過払金額の目安程度にしかならず、実際の計算とは大きく異なっていることもありますので注意しましょう。

返済の滞納

返済を滞納したことがある場合には、滞納した期間に応じて遅延損害金が課されます。利息制限法で定められている制限利率の最大1.46倍になる遅延損害金利率を使うことができるのです。

利息とは違うものになりますので、過払金に含めることはできません。1円たりとも計算ミスが許されないのが引き直し計算となりますので、滞納した場合には複雑な計算を要求されます。

借入れと返済を繰り返している

完済から10年が経過しますと、過払金の請求権は時効によって消滅します。

このことから、過払金請求に対して、貸金業者側は時効によって消滅していると反論してくることが多くあります。時効消滅が争点となるときには、複数回借り入れと完済を繰り返していたときにおいて、それらが分断することのできない基本契約に基づくものである場合には、直近の完済時が時効の起算点となることなどの専門的な知識が要求されます。

取引履歴が処分されている

貸金業者は、取引履歴を最終の返済期日から少なくとも10年間保存しなければなりません。

そのために、10年以上前の履歴が処分されて入手できないこともあり得ます。その場合には推定計算をしなければなりません。推定計算とは、開示された履歴が最初からの完全な履歴ではなく、途中からの履歴など履歴が不完全である場合に、開示されていない部分の取引を再現し、本来の過払金の額を計算する方法です。

専門家に依頼するのがベター

引き直し計算ソフトはネット検索をして無料で入手することができますし、ご自身で開示請求をした取引履歴を基に過払金をはじき出すことも可能です。しかし、上述した多くの注意点がありますので、計算ミスを冒しやすいともいえます。

当事務所を含めてほとんどの司法書士、法律事務所は無料で過払金計算を引き受けています。過払金の利息を含めた請求、回収見込額の算定などを考慮しますと、請求できる過払金の計算は専門家に依頼することをお勧めします。

 

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