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リボ払いのメリットとデメリット
リボ払いのしくみは、毎月の支払額を一定の金額に固定して、手数料(利息)とともに返済していくというものです。ショッピングだけでなく、キャッシング枠で利用することも可能ですが、キャッシングで借りたお金は分割払いで返済することができず、キャッシング1回払いかキャッシングリボ払いのどちらかを選択しなければなりません。
リボ払いは、1回払いや分割払いとは異なり、高額商品を購入した場合でも、毎月の返済額は一定になるため、手元にまとまったお金がないという場合でも支払いができるという点がメリットとして挙げられます。
デメリットとしては、毎月の返済額が低く抑えられているために返済までの期間が長期化すること、長期化により利用残高に対して支払う手数料(利息)が増加すること、毎月の返済額のうち元本と手数料(利息)の割合がわかりづらく、実際に手数料(利息)の占める割合が高くて元本がほとんど減らないことに気づきにくいなどが挙げられます。
手数料(利息)を抑えるために、繰り上げ返済をすることがネット上で推奨されていますが、それができるならリボ払いは選択しないでしょう。したがって、毎月の返済額を無理に上げていくことが多くなると思われます。
任意整理した場合のシミュレーション
月々の返済(支払い)を抑えるための手続きとして任意整理というものがあります。
任意整理とは、司法書士が依頼者様の代理人となって債権者と今後の返済方法について交渉をしていくものです。具体的には、将来発生する利息をカットして元本のみの3年分割払いを提案していきます。交渉事ですから、どのような提案をしていくのかは依頼者様の毎月の収支、借金の総額等を判断材料として検討します。
どの程度の減額となるのかをイメージしていただくために具体的なケースを想定してご説明します。
ケース1
- 利用代金残高 108万円
- 毎月返済額 5万円
- 年利 15%
利用代金残高 | 毎月返済額 | 返済回数 | 総支払額 | |
任意整理前 | 108万円 | 50,000円 | 26回 | 1,263,603円 |
任意整理後 | 108万円 | 30,000円 | 36回 | 1,080,000円 |
※利用代金残高によって毎月の最低返済金額を定めているカード会社がありますので、100万円を超えると返済額が一気にアップすることがあります。返済期間は10ヶ月延びますが、毎月の返済額を20,000円抑えることができ、トータルの支払額も183,603円減っています。
ケース2
A社
- 残元本 90万円
- 毎月返済額 3万円
- 年利 18%
B社
- 残元本 90万円
- 毎月返済額 3万円
- 年利 18%
利用代金残高 | 毎月返済額 | 返済回数 | 総支払額 | |
任意整理前 | 180万円 | 60,000円 | 40回 | 2,396,894円 |
任意整理後 | 180万円 | 50,000円 | 36回 | 1,800,000円 |
※毎月返済額、返済回数、総支払額全てを減らすことができました。月々の返済をもっと抑えたいのであれば、48回、60回払いで和解することも可能です。ちなみに、60回払いにすると毎月返済額は30,000円となります。
任意整理の注意点
クレジッドカード、ローンの利用ができなくなる
任意整理をすると信用情報に事故情報として登録されます。
いわゆる「ブラックリスト」に載るという状態になります。今まで滞納がなかった方であっても、現在持っているクレジットカードが使えなくなる可能性があるだけでなく、新たにクレジットカードを作ることやローンの利用も難しくなります。
債権者が応じるとは限らない
任意整理は裁判外で行う交渉手続きですから、当然のことながら強制力はありません。
依頼を受けた司法書士は、債権者に対し、依頼者に最も有利な条件の和解案を提示するわけですが、債権者がそれに応じる義務はありませんし、近時は和解成立時までの利息を要求されることが増えています。
また、任意整理着手後に訴訟を提起してくる債権者もいます。そのような事態にきちんと対処していくには、専門家の関与が不可欠といえますので、早期に司法書士や弁護士にご相談いただきたいと思います。