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不動産登記とは
不動産の表示や不動産に関する権利(所有権など)を登記簿に記録することです。
表示とは、物理的な現況を指し、土地の場合には所在、地番の他に地目(土地の利用状況によって区分したもの。例えば、建物の敷地は宅地となります。)、地積(土地の面積)が、建物の場合には種類(居宅、事務所など)、構造(何で造られているか、屋根の形状、何階建てかなど)、床面積が記録されます。
表示の登記は、場所や位置だけでなく物理的な現況を記録することにより、不動産を特定するための情報と言えます。
不動産登記は義務なのか
建物を新築した、取り壊したなどの場合には登記申請が義務付けられています。
不動産を購入した場合はどうでしょう。買主は登記申請をして名義変更をしなければならないのでしょうか。
実は、登記をしなければならないと法律では定められていません。
しかし、実務上ほぼ登記申請がされています。これはあくまでも登記をしないことによる不利益を避けるための取引慣習がそうさせているに過ぎないのです。不動産を相続したときも同様で、2021年8月現在、名義変更(相続登記)をすることは義務付けられていません。
不動産の名義変更(相続登記)の義務化
2024年に法改正により、名義変更(相続登記)が義務化されます。
相続が開始し、かつ、それにより不動産を取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請しなければなりません。正当な理由がないのに相続登記の申請を怠った場合には、10万円以下の過料に処されるという罰則規定が設けられます。
何らかの事情で3年以内に相続の登記の申請ができないときは、相続人が、所有権の登記名義人につき相続が開始したこと及び自らがその所有権の登記名義人の戸籍上の相続人であることを申し出ることにより、その申出をした相続人については、相続登記の申請義務が免除されます。
その申出をした者が、その後の遺産分割により不動産の所有権を取得したとき(法定相続分による相続登記がされた後に遺産分割により所有権を取得したときを除きます。)は、遺産分割の日から3年以内に相続登記を申請しなければなりません。
遺産分割に争いがあり、調停、審判のために3年以内に相続登記の申請ができないことが起こりえます。そのような場合には、3年以内に法定相続分による登記をするか、上記の申出をすればよいことになります。また、改正法施行時に相続登記が未了の不動産についても相続登記の申請義務が課されます。
司法書士に不動産の名義変更(相続登記)を依頼するメリット
遺産分割協議書の作成を任せることができる
遺言書がなく相続人が複数となる場合には、遺産分割協議書の作成が必須となります。
特に相続が複数回発生して登記名義人が何代も前の方となっている場合には、作成の難易度が上がります。
補正に対応できる
補正とは、法務局への不動産名義変更(相続登記)の申請後に申請書を受け取った登記官が申請に関するすべての事項について審査した結果、一定の不備がある場合、申請人に補正(訂正)を命じることです。
そのほかに、申請人が補正することそのものを補正と呼ぶこともあります。ご自身で申請したり、登記申請書作成代行サービスを使用する場合には、申請人(相続人)が補正をしなければなりません。司法書士は相続人の代理人として登記を申請しますので、補正も司法書士がすることになります。
登記の専門家である
司法書士の業務は多岐に亘りますが、登記業務に関しては独占業務となっています。
登記業務とは、登記に関する手続きについて代理すること、法務局に提出し、または提供する書類または電磁的記録を作成することを指します。