義父の遺言書を作って遺言書保管制度を利用しました

91歳の義父の遺言書を作ることにしました

私の実父母は既に亡くなっていますが、義父母は健在です。義父が亡くなった場合には遺産分割協議が非常に困難になることから、遺言書を作成することにしました。

過去に脳梗塞を患ったことがあり、文字が思うように書けないと聞きましたので、公正証書遺言の作成を最初検討しました。公正証書遺言なら、名前のみ書くこと(一切筆記ができなくても作成可能です。)ができれば作成できます。ただ、お金が自筆証書遺言よりかかりますので、最終的には自筆に時間をかけて自筆証書遺言を作成することにしたのです。

親の財産を聞き出すのには抵抗がある

私自身も経験しているのですが、親の財産を根掘り葉掘り聞くことには抵抗を感じます。今回義父の遺言書を作成するにあたって、私の妻も同じだったようです。

そうは言っても、全ての財産を把握しないことには遺言によるベストな対策を講じることはできませんので、持っている全ての預金通帳を知らせてもらうなどのことをしました。

遺言書案文の作成

遺言書の案文は私が作成しました。本来なら遺言者である義父の意思に基づいて作成すべきものだと思いますが、色々と相談を受けていましたので、私に案文作成を任せてもらうことになったのです。

財産目録については義父の負担を少しでも軽減するために、ワードで作成したものに署名押印することで対応しました。

予想以上に自筆に時間がかかりました

以前の記事「徹底解説!遺言書を法務局が保管する制度の注意点」でも触れていますが、余白が確保できていないと書き直しになります。ですから、余白を確保できる遺言書用紙を10枚ほど、義父の元に送りました。

書きあがった遺言書を写真で送ってもらったのですが、遺言書用紙が使われておらず、手書きで罫線が引かれた用紙に記載されていました。写真をプリントして定規で余白を測ったところ、ぎりぎりクリアできていました。

後から聞いたのですが、書き損じにより、私が送った用紙10枚は使い切ってしまったので、白紙に自分で罫線を引いて書きあげたとのことでした。義父には大変な労力を使わせてしまって、非常に申し訳なく思っています。

法務局に保管申請

義父は長い距離を歩くことが困難だったことから、私と妻が電車で妻の実家に行って、車を借りて義父を法務局まで乗せて行きました。書類不備等もなく30分ほどで保管証をいただくことができました。

即日処理をしてもらえるのは、非常に有難いことだと思います。義父には明らかに疲れた様子がうかがえましたし、何度も法務局に行かなくて済むのは本当に助かります。

親が自発的に遺言書を作ることは非常に少ない

義父は高齢ではありますが判断能力はしっかり有していますので、遺言書を作成することには全く問題ありませんでした。だからといって、自発的に作成することが決まったわけではなく、私からのアドバイスによって、作成することを決心してもらいました。

お子さんがいらっしゃらないご夫婦の場合を除いて、子供が親に対して遺言書の作成を提案し、促すことが非常に重要だと思います。

「老いては子に従え」という諺がありますが、実際に私の事務所にご相談に来られる方は、圧倒的に子供の方が多いです。その言葉を振りかざすべきとまでは言いませんが、高齢になればなるほど身体的な衰えは加速し、ご自身のことで精一杯になることが要因の一つかもしれません。

 

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